内容説明
人の精神は刑法が守りうるものか。「刑法における傷害概念」と「人の精神的機能の障害」との関係につき、日本における判例・学説の議論の現状から課題を析出し、比較法的検討や沿革的・系譜的検討をふまえて考察。人の精神も傷害罪や各種の致傷罪の保護法益であることを示したデビュー作。
目次
第1章 日本の判例・学説の素描
第2章 ドイツ刑法における傷害概念と精神的障害
第3章 オーストリア刑法における傷害概念と精神的障害
第4章 スイス刑法における傷害概念と精神的障害
第5章 日本刑法204条の成立過程にみる傷害概念
第6章 日本刑法204条の成立後の議論と傷害概念
第7章 日本刑法における傷害概念と精神的障害
第8章 刑法的判断における医学的診断の意義―PTSDの診断(基準)の影響
第9章 日本刑法における傷害概念と意識障害
著者等紹介
薮中悠[ヤブナカユウ]
1979年北海道に生まれる。2014年慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。2016年博士(法学)(慶應義塾大学)取得。現在、慶應義塾大学専任講師(有期)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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