ロボット法―AIとヒトの共生にむけて

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  • サイズ B6判/ページ数 292p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784335357145
  • NDC分類 548.3
  • Cコード C3032

内容説明

ロボットが事故を起こしたら?ヒトを傷つけたら?「感情」を持ったら?―AI技術の進展で急浮上する数々の難問を“制御不可能性”と“不透明性”を軸にときほぐし、著名文芸作品や映画作品等にも触れながら、ロボットがもたらしうる法的論点を明快に整理・紹介。日本における「ロボット法」の礎となる、第一人者による決定版。

目次

序章―ロボット法の必要性
第1章 ロボット工学3原則
第2章 ロボットの起源と文化
第3章 ロボットの定義と特徴
第4章 ロボットの種類とその法的問題
第5章 ロボット法の核心―制御不可能性と不透明性を中心に
第6章 ロボットが感情を持つとき

著者等紹介

平野晋[ヒラノススム]
中央大学総合政策学部教授・同大学院総合政策研究科委員長。米国弁護士(ニューヨーク州)。1984年に中央大学法学部法律学科を卒業し、同年入社した富士重工業株式会社にて法務に携わり、コーネル大学大学院(コーネル・ロースクール)に企業派遣留学して1990年に修了(法学修士)。同年にニューヨーク州法曹資格試験を受験・合格。翌1991年に同大学院特別生(『コーネル国際法律雑誌』編集委員)。1995年からNTTグループ企業で法務に携わり、2000年から株式会社NTTドコモの法務室長。2004年から中央大学教授。2007年に博士号(総合政策)(中央大学)取得。コーネル・ロースクール留学以来、製造物責任法の世界的権威ジェームズ・A.ヘンダーソンJr.教授から教えを受ける。経済産業省「ロボット政策研究会」(2005~2006年)を含む政府有識者会議を多数歴任。総務省「AIネットワーク社会推進会議」幹事、および「開発原則分科会」会長を務める(2016年~)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Tenouji

20
非常に面白かった。種々の派生トロッコ問題を題材に、類似判例とともに事故の責任範囲を考察。人間には認識範囲や感情のために選択不可能に思える問題も、ロボットでは実行可能であり、設計時の方針が問われることになると。また、制御不可能性と不透明性を解消する設計が必要とあるが、これって教師なし学習の場合、学習データにも責任を持つということになるのだろうか?…さらに視点を広げると、自立適応的に動作する社会インフラの設計課題というような話になり、人間の社会性の根源的な問題を扱っているような印象を持った。2018/03/11

izw

14
ロボット・AIに法をどのように適用するか、どのような法を整備すべきかが盛んに議論されていて、目前に差し迫っている自動運転カーに対する法整備を急がないといけな現状が良く分かる。SFが参照されているのは興味深い。著者の私見では、ロボット法の中心概念は、ロボットの特徴の中の<制御不可能性>と<不透明性>であり、核心は製造物責任法だという。将来的にはロボットが意識を持つ、人格を認められ、人権をもち、刑事責任を負える可能性があるが、それがいつになる分からない現時点では、仕方のない判断なのかもしれない。2018/03/22

kenitirokikuti

9
イスラエルのガブリエル・ハラーヴィの論じるロボット刑事法。プログラムのバグによる誤作動は精神疾患に該当するか? ウイルスに感染した場合、酩酊状態とみなしうるか? ロボットに財産権が認めうるか明らかでないため、量刑は「強制労働」を科すべきだろう。ロボットに刑事責任を問うのはなんか戸惑ってしまうが、法人の犯罪に似ている。たしかに、ロボットも法人も「魂」を持たない。2018/02/04

Hatann

4
AIを含めロボット開発・利用の法律問題を検討する。具体的なイメージを持たせるために小説・映画をふんだんに引用しており非常に効果的である。一般的な不法行為責任追及では使用者の結果回避可能性が基本論点とされるが、ロボット法の領域では開発者の結果回避可能性が更に重要とされる。制御不可能性と不透明性が自明であるAI開発・利用において、不法行為リスクを開発者が一定程度負う仕組みが必要であり、不法行為法制のパラダイムシフトが望まれる。法律書として好著なのだけど、敢えて米国法を機軸に分析していることは評価が分かれるか。2019/04/15

anaggma

4
自分の関心の中心は、「人間とは何か、人間は何であるべきか、人間はどう変わって来、変わって行くか。」だがこれはどんぴしゃりの本。ロボット法分野における論点整理と重要判例の紹介。トロッコ問題は知っててもトロッコ問題に対して実際の判例はどうなっているのか知らない方、ぜひご一読を。2018/05/19

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