出版社内容情報
連邦憲法の「上書き」からみる、州憲法の意義と役割
私企業が所有するショッピングセンター敷地内で政治演説をする自由はあるか――。アメリカ連邦最高裁の判例すら認めないこうした権利を、州憲法が認めることがあります。本書は、カリフォルニア州憲法によるこうした連邦憲法上の表現の自由への「上書き」ないし「上乗せ」を題材として、人権保障の多様なチャネルの可能性とその課題を考察するとともに、アメリカ型連邦制のダイナミクスの重要な一側面を構成する州憲法の実相を描き出します。アメリカ憲法および英米法分野の研究者必読の、記念碑的研究。
内容説明
カリフォルニア州憲法による連邦憲法上の表現の自由への「上書き」ないし「上乗せ」を題材として、人権保障の多様なチャネルの可能性とその課題を考察し、アメリカ型連邦制のダイナミクスにおいて重要な意義をもつ州憲法の実相を描き出す記念碑的研究。
目次
第1章 概観(1つの判決―Sheff v.O’Neill;問題の所在―忘れられた憲法 ほか)
第2章 「新司法連邦主義」の歴史的背景(州憲法による人権保障の先行性;アメリカ憲法の3段階―新司法連邦主義の視点から)
第3章 連邦憲法の解釈と州憲法の解釈(州裁判所による司法審査の正統性;州裁判所の判例に見る連邦憲法と州憲法の関係)
第4章 州憲法におけるステイト・アクション―私有地における表現の自由の問題を中心に(前提的考察;州憲法における「ステイト・アクション」 ほか)
結び 「アメリカ憲法」の中の州憲法の位置―社会権からの視座
補論 大統領の役割―連邦と州の関係の視点から
著者等紹介
安部圭介[アベケイスケ]
1969年福岡市に生まれる。1992年東京大学法学部卒業。1996年ハーヴァード大学ロー・スクール修士課程修了。1997年ニュー・ヨーク州弁護士登録。2001年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。2018年オックスフォード大学法学部客員研究員。2021年弁護士資格(日本)取得。現在、成蹊大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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