内容説明
現代アメリカの法・文化・社会を理解するための基本書。19世紀後期に形成された古典的法思想が、革新主義的法思想の批判を受けて衰退していく様子を時代の息吹の中に描く。実定法への豊饒な分析を含む現代アメリカ法の原像。
目次
第1章 古典的法思想の構造―1870年‐1905年
第2章 契約自由と客観的因果関係に対する革新的法思想からの批判
第3章 サンタ・クララ判決再考―法人理論の発展
第4章 アメリカ法思想におけるホームズ裁判官の地位
第5章 財産権概念の革新的変容
第6章 リーガル・リアリズムとは何か?
第7章 リーガル・リアリズムの遺産
第8章 リーガル・リアリズム、官僚的国家および法の支配
第9章 第二次大戦後の法思想―1945年‐1960年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴろし
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読み終わったので奥さんの友人に送付。2015/01/11
フクロウ
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アメリカ法制史の大家・ホーウィッツによる名著“The Transformation of American Law, 1870-1960”の翻訳版。古典的法思想が革新主義法学により解体されていく様を描写するが、単なる思想史上のパラダイム転換だけでなく、思想史内部での合従連衡や同一派閥内部での矛盾衝突を、現実の社会や経済の構造変動を踏まえつつ、それらとの対抗の中で描出することにより非常に説得力を持つ。現実も思想も一枚岩ではないところ、その相互の複雑な絡み合いを丁寧に追跡し提示している。まさに知。2021/08/10