出版社内容情報
盲目の巫女はブームを経て、アニメのシャーマンへ――イタコ文化はいかにして伝説となったか?●盲目の巫女はブームを経て、アニメのシャーマンへ――イタコ文化はいかにして伝説となったか?
死者を呼び出し、生者へのメッセージを伝える盲目の巫女イタコは、1960年代のブームで一躍全国に知られる存在となった。その半世紀後、現実のイタコが高齢化した一方で、マンガやアニメでは少女イタコがシャーマンとして活躍している。東北の民俗宗教はいかにして新しい宗教文化になり得たのか? フィールドワークと資料の発掘、質問調査から丹念に追跡した貴重な論考。
序章 問題の所在
第一部 マスメディアによる《イタコ》像の形成
1章 大衆文化としての《イタコ》とは何か
2章 《イタコ》の登場とブームの到来
3章 「オカルトブーム」と宗教性の“大衆化”
4章 ステレオタイプの形成と《イタコ》の増殖
5章 《イタコ》の登場と《恐山》像の変容
第二部 《イタコ》像の普及と民俗文化の変容
6章 表象の普及と宗教的リアリティの形成
7章 表象の受容と再生産
8章 表象の消費と恐山の変容
9章 恐山の近代化
10章 《恐山のイタコ》を求める人々
11章 マスコミのまなざしと自己表象の再編
12章 巫業の変容
終章 結論
大道 晴香[オオミチ ハルカ]
内容説明
死者を呼び出し、生者へのメッセージを伝える盲目の巫女イタコは、1960年代のブームで一躍全国に知られる存在となった。その半世紀後、現実のイタコが高齢化した一方で、マンガやアニメでは少女イタコがシャーマンとして活躍している。東北の民俗宗教はいかにして新しい宗教文化になり得たのか?フィールドワークと資料の発掘、質問調査から丹念に追跡した貴重な論考。
目次
第1部 マスメディアによる“イタコ”像の形成(大衆文化としての“イタコ”とは何か;“イタコ”の登場とブームの到来―一九五〇年代‐六〇年代;「オカルトブーム」と宗教性の“大衆化”―一九七〇年代‐八〇年代;ステレオタイプの形成と“イタコ”の増殖―一九九〇年代以降;“イタコ”の登場と“恐山”像の変容)
第2部 “イタコ”像の普及と民俗文化の変容(表象の普及と宗教的リアリティの形成―大学生・短期大学生を対象とした質問紙調査をもとに;表象の受容と再生産―地方自治体の観光振興事業を例に;表象の消費と恐山の変容―『東奥日報』『デーリー東北』の「恐山大祭」関連記事を手掛かりとして;恐山の近代化―大正期の「観光化」をめぐって;“恐山のイタコ”を求める人々―二〇一四年度恐山大祭・恐山秋詣りにおける「イタコの口寄せ」の状況;マスコミのまなざしと自己表象の再編―「自文化」としての〈恐山信仰〉をめぐって)
著者等紹介
大道晴香[オオミチハルカ]
1985年、青森県生まれ。博士(宗教学)。横浜国立大学教育人間科学部卒業、東北大学大学院文学研究科博士課程前期修了、國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了。現在、國學院大學大学院大学院特別研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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