内容説明
資本主義は自由と民主主義を守り、人々の生活をもっとも豊かにできるシステムである。だがそれは、さまざまな問題がつきまとうシステムである。物価の安定、完全雇用、資源配分の効率性、市場の失敗、所得と富の格差、バブルの発生と崩壊、グローバリズムの影響、景気変動や金融恐慌・大不況への対応、国家財政のあり方、等々。本書では、こうした諸問題について、歴史を紐解きながら徹底検証し、問題の本質がどこにあるのかを捉え、改善策を検討し、来たるべき資本主義経済の未来を展望する。
目次
資本主義の未来へ向けて
資本主義経済における自由と格差―自由と格差および効率性
「格差」縮小は生産性を低下させるか―効率性と平等の二律背反問題
格差の決定要因と格差の実態および改善策
世界金融恐慌をもたらした資本主義経済の不安定性―ケインズとフリードマンの資本主義経済観
バブルと資本主義の不安定性―バブルの発生とその崩壊による不況
リーマン・ショック後の欧米の経済政策と世界的な取り組み
リーマン・ショック後の日本の対応は適切だったか
貨幣と物価および雇用
インフレーション・ターゲティングとその成果
財政政策の効果と財政の持続可能性および国債の負担
通貨制度と通貨・政府債務危機
資本主義の未来を築くために
著者等紹介
岩田規久男[イワタキクオ]
1942年生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院単位取得満期退学。学習院大学経済学部などを経て、2013年4月から5年間、日本銀行副総裁を務める。上智大学名誉教授・学習院大学名誉教授。専門は、金融論・都市経済学。深く確かな理論に裏づけられた幅ひろく鋭い現状分析と政策提言は、つねに各界の注目を集めている。著書に『土地と住宅の経済学』(日本経済新聞社、第18回エコノミスト賞受賞)、『経済学を学ぶ』(ちくま新書)、『昭和恐慌の研究』(編著、東洋経済新報社、第47回日経・経済図書文化賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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