目次
一杯のコーヒーが百円になるまで
「コーヒーでいいや」と言う人がいる
Titanium Double Wall 220mg
喫茶店のコーヒーについて語るとき、大事なのは椅子だ
四つの署名、一九六七年十二月
去年の夏にもお見かけしたわね
ミロンガとラドリオを、ほんの数歩ではしごする
なにか冷たいものでも、という言いかた
白いコケインから黒いカフェインの日々へ
いいアイディアだと思ったんだけどなあ
さてそこでウェイトレスが言うには〔ほか〕
著者等紹介
片岡義男[カタオカヨシオ]
1939年東京都生まれ。作家、写真家、翻訳家。1974年に『白い波の荒野へ』で作家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
83
久しぶりに著者の本を手に取る。いつもの片岡さんらしいこだわりが好きだ。例えば喫茶店の椅子だけで10ページ程も書いている『喫茶店のコーヒーについて語るとき、大事なのは椅子なのだ』なんて他の作家が書くと商品説明のような文字の羅列になったり蘊蓄をひけらかした感じになりそうな所を文章の的を得たスマートさに加え読後の爽やかな共感を呼ぶ点が凄い。そう!国宝とかではないが大事に修理しながら使われている骨董級のここの椅子に座ってみたくなるから不思議だ。そして喫茶店と言えば音楽が付き物なのでそんな音楽話もあり楽しめます。2021/09/23
バネ
61
前回 粘液質な文章を読んでいた為、今回はサラリと湿度ゼロな文章を読みたくなり、初片岡義男作品。…しかし、コレは私的には感覚が合わずで、申し訳ないが途中終了。。何かいちいち理屈っぽいトコロがちょっとなぢめずって感ぢである。ホントは珈琲3部作とも読みたかったのに、残念。2025/09/26
踊る猫
33
実に縦横無尽に、片岡義男は自身の記憶の中から「珈琲」を取り出しそれを文章に仕立て上げて並べていく。ここまで多彩な文章が「珈琲」でつながるものなのかと驚かされ、片岡義男の引き出しの多さに唸らされる。それでいて、どれも「捨て」な印象を与えず一級品のものとして(小品と長文、という相違こそあるけれど)成り立っているので読みながら陶然としてしまう。片岡義男は実によく街を歩き、文化を観察しその中で自らポップカルチャーを楽しんでいるなと思った。彼の中にはそれこそヴァルター・ベンヤミンや植草甚一の資質が備わっていると思う2023/02/28
踊る猫
33
片岡義男を信頼できるのは、彼がエスタブリッシュメント/権威の側に立たないからだ。英語に関して硬派な主張を通す時であっても、映画や小説を論じる時であっても。この人はベタベタしたウェットな関係を忌避しつつも「庶民派」の立場を採りたいのかな、と思う。市井の一個人として、珈琲/コーヒーから見えてきたものをつぶさに記録し、そこから小説やエッセイを引き出す。その手つきの華麗さに見惚れてしまった。悪く言えばキザなエッセイではある。だが、観念を弄ぶだけで終わる作品ではなく、きちんと一本筋を通しこちらに丁寧に語りかけてくる2021/10/19
シナモン
30
図書館本。著者のコーヒーに対する蘊蓄、エピソードがつまった一冊だったがボリュームがありすぎて…。興味のあるところを斜め読みになってしまった。そうなると目につくのはやはり大好きな京都の喫茶店のあたり。スマート珈琲の2階で洋食ランチ~からの1階でタマゴサンドとコーヒー。やはりスマート珈琲のホットケーキと美空ひばりのエピソードなどが興味深かった。スマート珈琲行きたいなー。また著者はSnow Peakのマグカップを愛用されているとのこと。新潟県人として嬉しかった。2019/06/04




