内容説明
バッファローが鳴いた。それは、「自分はこれから死ぬ」ことを告げていた。私は、そのあまりの悲痛な叫びに、耳をふさがれる思いがした。死を悲しむ気持ちの深さ、重さには、人間も動物も、なんの違いもないのだ。しかし、私はだんだんに、「死は生の一部だ」と考えるようになっていった。個の終わりは、本当に、生の終わりなのだろうか。生は、死よりも、はるかに大きなものではないのか。だとすれば、人は死を悲しむ必要があろうか…。生物の歴史・文化論・動物の世界・博物学を渉猟した、渾身の書下ろし哲学。
目次
第1の疑問 若く死ぬのは、不幸なことなのか
第2の疑問 「生命はかならず死ぬ」は、本当か
第3の疑問 動物にも、死の悲しみはあるのか
第4の疑問 死んだら、そのあとどうなるか
第5の疑問 死は苦しいのか、楽なものか
第6の疑問 なぜゾウは、墓をつくらないのか
第7の疑問 なぜ人間は、「魂」を信じたのか
第8の疑問 クローン技術は、死を解決できるか
第9の疑問 幸福な生は、美しい死を呼ぶのか
著者等紹介
羽仁進[ハニススム]
1928年、東京生まれ。自由学園卒業。共同通信社を経て、岩波映画製作所で記録映画の製作。のちに劇映画の製作を行なう。国際的にも多くの賞を受ける。映画監督。評論家。テレビの動物ドキュメンタリー番組の監督としても名高い
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