内容説明
誤解されている介護の在り方、綾子が果たせなかった仕事…―作家・三浦綾子を妻に、共に歩んだ夫が語る来たるべき彼方への希望。
目次
綾子の最期
死に対する恐怖
「ザマを見ろ」
綾子の生涯における最たる悲劇
「きっと死ぬ」
聖書の最初に出てくる「死」の意味
難病との出会い
綾子が果たせなかった仕事
綾子に書かせたかった物語
最初の肉親との死別〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Midori Nozawa
10
再読できました。70代は私にとって読書に最適です。本書は三浦綾子さんの人生を夫君の光世氏が解説されています。光世氏の人生も記され、子ども時代の貧しさ、祖父母に育てられたこと、北海道開拓者の子として、その後父は東京に出て市電の運転手にもなったこと。徴兵検査では丙種合格が嬉しかった。合格は合格だから。お国のために神である天皇のために命を捧げることに何の疑問もなかった。綾子さんは教師として戦争賛美の間違った教育をした罰として脊椎カリエスになったと自らに告げる暗い日々に前川正(幼友達)からキリスト教を教えられた。2020/05/27
Midori Nozawa
7
まる2日で読了しました。私の愛読作家三浦綾子氏についてご主人の光世氏の本。綾子氏はパーキンソン病が進み、体力がほとんどなくなった頃、「死ぬという大切な仕事」が残っていると言われたという。本書では死というものを深く掘り下げて書かれている。とても読みやすい本だった。私の綾子さんと同様子どもの頃から死に関心があった。感情表現が大きく、私は似ていると今回も感じた。疲れた時など、ついつい三浦綾子の本を手にとって読みふけっている。三浦さん夫妻はイエスとい存在を多くの人に知らせてくれた人たちだと思う。2021/08/04
禅・しんじ
5
図書館本。三浦綾子さんがパーキンソン病にて死ぬ時の逸話を回想している。追悼本。「耳の中に流れし泪を拭いつつ又新たなる泪溢れ来つ」(三浦綾子作)。介護になってしまい、お世話を施して感謝する夫婦の姿が目に浮かびました。2014/11/09
Hidekazu Tanaka
2
面白かったです!!2024/11/08
Midori Nozawa
2
三浦綾子さんは脊椎カリエスという病気で何年もギブスベッドでの入院生活をされ、退院後に氷点などの名作を残しています。重い病にかかっても、祈りをもって病を乗り越える姿に励まされました。大腸がんや帯状疱疹など次々に患われ、粉ミルク療法なるものもされ、それでも口述筆記で次々に本を発表。最近親しい方のお父様が亡くなりました。肉体は無くなっても、生きている人以上に大きなものを残す死というものを、この本から、そして身近な人の死から教えられます。