出版社内容情報
本や映画の中の言葉から人とのつながりを考えるエッセイ集。前著『言葉の品格』に続き、韓国で130万部の大ベストセラーに。
内容説明
あなたが日々何気なく発する一言の、「言葉の温度」は何度ですか?私たちが紡ぎだすひとつひとつの言葉には、それぞれに固有の温度がある。心地よい温かさで人を癒す言葉、熱すぎたり冷たすぎたりで誰かを傷つける言葉…日々の何気ない会話に耳をそばだて、本や映画の胸を打つ一節を心に留め、それらの言葉のもつ大切さや切実さを語りつくす―韓国で異例の150万部突破、社会現象にもなったベストセラーエッセイ。
目次
言―心に刻むもの(もっとつらい人;言葉も医術のうち;愛は言い訳しない ほか)
文―散らない花(刻む、文、恋しさ;誰かにとって、かけがえのない人;愛という言葉の由来 ほか)
行―生きている証(母子が散歩に出かけるわけ;風も巣の材料になる ほか)
著者等紹介
イギジュ[イギジュ]
作家。成均館大学卒業。ソウル経済新聞などで社会部・経済部・政治部記者として勤務した。文章を書き、本を作る
米津篤八[ヨネズトクヤ]
朝日新聞社勤務を経て、朝鮮語・英語翻訳家。ソウル大学大学院で朝鮮韓国現代史を学び、現在は一橋大学大学院博士課程在学中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
118
言葉の温度を与えられるのは、人、人生、言葉、美を愛しているから。抱かれたような温かさ、笑顔のような柔らかさ、夢をみているような心地良さを感じる言葉に安心感がある。その証拠に映画やドラマも著者の日常に自然に溶込んでいる。この世の美しいものが全て含まれているから。美しいものを美しいと感じる心を感じることはとても幸せなことだ。2020/03/23
mike
66
さもない日常の一コマについてイ・ギジュが感じた事を書きとめたエッセイ集。短い物は半ページ程で日本の話も登場するので非常に読み易い。周囲の出来事に耳を澄まし目を凝らし心で感じる彼は、きっとすごく優しい方だろうと、それは一つ一つの言葉の選び方から推し量られる。老いていく母、町中で見かけた老夫婦や親子連れ、季節を感じる風景、本や映画の一節等。大きなインパクトは無いが、じんわり温もりが広がり、ふとノートの片隅に書いておきたくなるような珠玉の言葉が散りばめられている。2023/01/14
けんとまん1007
41
読むだけで心が穏やかになり、思索が広がる。一つ一つの文章は、とても穏やかで静かなものだが、その奥行きはおても広く深い。さりげない日常の断片を切り取ったエッセイ集でありながら、哲学書の佇まいすら感じてしまう。タイトルの「言葉の温度」は、まさにそのとおりで、今の状況において、今まで以上にの言葉の持つ力・影響力を考えざるを得ない。声であれ文章であれ、周囲への影響は少なからずある。今だからこそ、想像力を持って考えなければならない。2020/04/16
mamaboo
7
日本映画が多く登場していて、韓国の記者さん??と思ったりもしましたが、家族を大事だと繰り返しているのはお国柄かと。余談ですが、私の町の近くの図書館は、予約本だけ受け取れるサービスを始めてくれます。感謝。2020/03/12
こけしママ
6
「言葉の温度」というタイトルに惹かれた図書館本。最近の私の言葉の温度はかなり低め、もしくはとても高めだったな。程よい温度で言葉を発していないと反省させられた。<何を言うかに気を取られてしまうことが多いけど、いかに言うかが重要で、時に何を言わないかが一層重要だ。口をつぐむことを学ばなくては上手く話すことはできない>と言った内容の一文があって、とても沁みた。それは相手の言葉に耳を傾ける事にも繋がるよなと。また<ただ、〇〇だけだよ>と言い回し。<ただ>の二文字に込められた気持ちこそ、決してただではない大切なもの2025/02/21