内容説明
「リーマン・ショック」はまた起きる!巧妙にして狡猾な金融イノベーションは終わらない。
目次
序章 勝利と利潤を追求する男たちの欺瞞
第1章 銀行業務を魅力的に変えた賭け
第2章 マットレスの活用
第3章 フリーランチは加工食品
第4章 傷心症候群
第5章 取りこまれた規制当局
第6章 住宅市場を全焼させる
第7章 サタンの眼
第8章 巨額担保によるダメージ
著者等紹介
ダンバー,ニコラス[ダンバー,ニコラス] [Dunber,Nicholas]
ロンドン育ち。1980年代後半、マンチェスター、ケンブリッジ、ハーバードの各大学で物理学を修める。大学の仲間たちが数学スキルを武器に投資銀行トレーダーへと転身したことに触発され、金融ジャーナリストになる。1998年から2009年まで、デリバティブの専門誌『リスク』のテクニカル・ディレクターを務める。2005年、保険・年金業界向け雑誌『ライフ&ペンションズ』を創刊。この期間、デリバティブの破綻に関する一連の独占記事を発表し、調査報道ジャーナリストとしての評判を確立する
河野純治[コウノジュンジ]
1962年生まれ。明治大学法学部法律学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
15
内容は少し高度だが、リーマンショック前の金融業界の雰囲気をかなりリアルに理解することが出来る。また、優秀な、あまりに優秀な人達が、徹底的に利己的に仕事した結果の恐ろしさを、まざまざと実感させてくれる。2015/05/03
手押し戦車
8
自動車、食品、航空更に厄介な国債も盛り込まれた商品をパッケージにしてCDO債券担保として販売。このデリバティブは高価で資産がすぐ生まれる。格付け会社の評価を使い合成証券化して損失を嫌う投資家の好みに合わせ売れる。債券、ローンを安く仕入れ水をワインに変え格付けの数字を使って合成証券化して転売しクレジットデリバティブ債務不履行の商品を取引する。複数のチョコレートを全部味わおうとするのが人間の心理。将来のリターン、リスクを分散させてしまう。調理済み食品に難しい物を仕込む。骨折した馬を三冠馬の様に見せるのが金融2014/05/18
christinayan01
1
まるでマクドのチキンナゲットのようだ。その化け物の中身は誰にもわからない。この手の本はいくつか読んでいるが、崩壊直前になるとCDSの中身は誰にも理解できない化け物と成す。そりゃあ「CDSをきちんと説明できるだけで投資銀行からスカウトがくる」なんて言われるのも理解できる。最後は「こいつは腐っている」と気づいた者だけが勝利。2015/03/09
人生ゴルディアス
1
本としての構成がちょっと悪くないかな……。CDOの原料にCDSが使われることを前提に話がされていて、その説明がかなり後になってからようやくきたりする。CDOそのものについての説明もほとんどなされていないのに、なぜかシステミック・リスクには訳注が付いたり、想定している読者の知識レベルが不明。CDSの表記も、そのままCDSと書いたりプロテクションと呼んでみたり、不親切。訳者が本当に内容を理解して書いているのかあやしい。逆接の接続詞も原文のまま用いているのか、意味がつながらない箇所が多々あった。2014/09/24