内容説明
消費の海に溺れる子どもたちに未来はあるのか。アメリカ社会を震撼させた衝撃の書。
目次
第1部 巧妙化するブランド戦略(ブランドの浸透力―教科書にオレオクッキー、数学の問題にナイキのロゴ;ショッピングモールの魔力―ブランドへの忠誠心と無料奉仕;口コミ・マーケティング―私はソニーよ、パナソニックじゃなくて ほか)
第2部 自己のブランド化(肉体のブランド化―豊かな胸、形のいい鼻や口元、美容整形の夢;肉体への執着―XラージとXスモール;ブランド大学―一四歳で受験準備、一五歳で進学カウンセラー ほか)
第3部 脱ブランド運動(反ブランド潮流―スポンサー企業にたてつくと停学?;DIYパンク―在宅学習、自宅で演奏するパンク;教育の身売り―民営化に反対する生徒たちの戦い)
著者等紹介
クォート,アリッサ[クォート,アリッサ][Quart,Alissa]
新進気鋭のジャーナリスト。ブラウン大学卒業後、コロンビア大学大学院でジャーナリズム専攻。「ニューヨークタイムズ」「インディペンデント」などの新聞や「フィルム・コメント」「ザ・ネイション」などの雑誌に多数の記事を寄稿。ニューヨーク在住
古草秀子[フルクサヒデコ]
青山学院大学文学部英米文学科卒業。ロンドン大学アジア・アフリカ研究院(SOAS)を経て、ロンドン大学経済学院(LSE)大学院にて国際政治学を学ぶ
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感想・レビュー
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いとう・しんご
5
「俗都市化」の言及により借りてきました。商品経済が子供と親を取り込むため話が250ページ。自らの社会的地位に敏感な米国中流階級の不安を煽って消費させる手法はルース・シュウォーツ・コーワン「お母さんは忙しくなるばかり―家事労働とテクノロジーの社会史」に紹介されている米国マーケティングの古典的な手法であり、米国における様々な差別を最も必要としているのが実は米国の市場経済そのものであることが最後の50ページで暴き出される。ティーンの美容整形、ボディビル、拒食症、受験戦争の話は強烈だった。 2022/01/27
takao
2
ふむ2023/08/05
さとう
2
良書。 "親たちが抱く罪悪感は、トゥィーンに向けた宣伝がなぜこんなに多いのかを説明する。 子どもは簡単に宣伝に操られるし、働き過ぎの親に欲しいものを買わせるのは昔よりずっと簡単だ。 親たちが家にいない時間は昔よりずっと多くなっていて、親たちはそれをうしろめたく感じている"2023/07/26
ひつまぶし
1
公共空間の商業化を正当化するイデオロギーを読み解く手がかりになるかもと思って読んでみた。第一部「巧妙化するブランド戦略」では、企業が子どもたちをターゲットにマーケティングに力を入れ、子どもたちの方もインフルエンサーの自覚を持った共依存的な関係が描かれる。第二部「自己のブランド化」、第三部「脱ブランド運動」もそれぞれ必要な議論だと思うが、どうせなら第一部をとことん掘り下げて欲しかった。子どもに向けられているものは、当然大人にも採用されている。知らず知らずブランドを意識してしまっている部分は少なくなさそうだ。2022/03/06
ぱじゃま@抱き枕と一緒
0
この本のタイトルにあるブランドは日本人が意識しているブランドとはベクトルが微妙にズレている気がする。 言われてみないと気付かないような細かいところまで実態を突き詰めている。確かに現代社会はブランドでガチガチに固められた画一的社会だ。しかも日本人はそれ(特に学校教育)を批判・拒否できるような、成熟した国民でも思考力のある国民でもない。(余談だが、最近頓に増えてきた学校でのイジメ問題について、何故親や保護者は子どもを通わせ続けたのかはかなり疑問である。)2012/10/04
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