内容説明
わたしは、ナチの病院で“ユダヤの子”を産んだ!戦後ドイツで判事も務めたユダヤ人女性が、半世紀余り秘めていた驚愕の過去を告白。
目次
1 過去からのささやき
2 ウィーンのわが家
3 ペピのかわいい恋人
4 愛という名の罠
5 オスターブルクの農園
6 アシャースレーベンの奴隷
7 ウィーンでの変身
8 ミュンヘンの白馬の騎士
9 イメルマン通りの生活
10 理想のアーリア人家庭
11 ブランデンブルク陥落
12 海底からの浮上
13 魔王ゲッベルスの笑い声
14 ペピからの小包
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mana
7
Uボートと呼ばれる、ユダヤ人がドイツ人のふりをした潜伏活動をした女性の回想録。映画「ヒトラー欺いた黄色い星」で、こういった潜伏活動をしたユダヤ人は著者一人ではなく数千人もいたことを知った。著者は収容所に送られた他のユダヤ人から非難もされたようだけど、それでも出版されたことで後世が知ることができる貴重な記録。2018/08/23
つちのこ
5
アーリア人になりすまし、ナチ将校と結婚し、ナチの病院でユダヤの子まで生んでしまうという波瀾万丈の半生は驚きである。事実、敵の懐に飛び込むことによって地下に潜り、際限なきファシズムの迫害をかいくぐったドイツのユダヤ人は5000人ほどいたらしい。 彼女を救った周りの人々の友情や誠意と強運にあったようだ。著者はナチの将校の子供を生んだことで、戦後においても偏見による風当たりが強かったようだが、現在はイスラエルに住み86歳になった今も元気で暮らしている。(2000.6記)2000/06/26
mytee
3
Uボートと呼ばれた、ナチス支配下の第三帝国で潜伏生活を送った女性の物語です。 読んでいて勇気や行動力、知力を持った女性に感心すると共に、ドイツ人の中にも、ユダヤ人を助けた人が居たことに救われました。 それにしても、ナチスのユダヤ人への犯罪行為は本当にあったこと だと認めたくないほど酷い。 大変にショッキングな本ではありましたが、貴重な証言を勇気を持って発表された女性に感謝したい。この本から学ぶことは多い。2015/09/10
Jiemon
3
この本の著者のエーデットは幸運に恵まれ、暗黒の第二次世界大戦のドイツ、オーストリアというユダヤ人には厳しい死と隣り合わせの苦境を生き延びることができた。当時沢山のユダヤ人がホロコーストで死んでいったことを考えると正に奇跡というほかはない。本来であれば、彼女の死とともにその記憶も消えてしまうところを数奇なチャンスで出版できた本だと思う。著者にとってみれば、胸を張って出版したものでもないだろう。まさに勇気を奮い起こして出した物語。2011/10/18
takao
0
信じがたい。でも、他にもいるのでは?2016/08/10