キリング・フィールドからの生還―わがカンボジア「殺戮の地」

キリング・フィールドからの生還―わがカンボジア「殺戮の地」

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  • サイズ B6判/ページ数 344p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784334960483
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

内容説明

本書は映画『キリング・フィールド』でアカデミー助演男優賞やゴールデン・グローブ賞を受賞したハイン・ニョルのカンボジア内戦下での体験をつづった手記である。

目次

第1章 反抗
第2章 ロマンスとクーデター
第3章 内戦
第4章 プノンペン陥落
第5章 プノンペン脱出
第6章 村へ帰る
第7章 新方向
第8章 農作業
第9章 病気
第10章 利己主義と死者の群れ
第11章 再編成
第12章 鐘
第13章 アンカー・ルー
第14章 寺院
第15章 死神
第16章 雨季
第17章 崩壊の兆し
第18章 水責め
第19章 幸福な日々
第20章 「海を渡る」
第21章 悲嘆
第22章 退却
第23章 解放
第24章 危険地帯
第25章 ペンダント
第26章 アメリカへ
第27章 再出発
第28章 『キリング・フィールド』
第29章 表彰
第30章 カーマ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鷺@みんさー

23
映画『キリング・フィールド』は見ていない。本書には映画の撮影裏話や経緯はかなり後半に出てくるが、そこまでのニョル・ハイン氏の激烈な体験記で充分過ぎるほどだった。カンボジアに限らず、内戦には他者からすればまず「なぜ?」が先立つ。著者は医師であり前政権の軍幹部という危険な立場でありながら、驚くなかれなんと三度の拷問を生き残り、地雷原を抜けて亡命している。その描写に息をのむ連続だが、一市民として見えなかった「なぜ」を、後半客観的に分析しており、私の冒頭の問いは満たされたが、何よりも。その克明な描写に感嘆した。2022/09/29

スー

12
初めてカンボジアの悲劇をカンボジア人が語った本を読みました。まず驚くのはポル・ポトの名前が出てこず、ずっとクメールルージュとかアンカーと呼ばれ組織の幹部は謎の存在だった事です。普通革命とかの場合リーダーを積極的に登場させると思うのですけど。そして彼等の嘘です。君達は解放された平等だと言いながら都市出身者を新住民と呼び最下層に位置付け、国を開発する強くする、自国で作った車に乗ろうと言いながら色が白い細い眼鏡をかけているだけでインテリだCIAの手先だと拷問して殺し教育を否定する。まったく理解できない。2017/06/17

sasha

9
カンボジア内戦時のアメリカ人ジャーナリストとカンボジア人助手の絆を実話を元に描いた映画「キリング・フィールド」でカンボジア人助手を演じたハイン・ニョル。彼自身もクメール・ルージュが支配したカンボジアを生き延びたひとりだった。クメール・ルージュの目指した原始共産制社会のなんとめちゃくちゃなことか。そりゃ長く持たずに崩壊もしようってものだ。陰惨で、凄惨で、地獄のような4年を生き延びたのにハインは1996年にロサンゼルスで強盗により命を落とした。運命というには残酷すぎやしないか。2018/02/02

まこっちゃん

2
P291 ことのはじまりは、カンボジアを植民地支配していたフランスが私たちカンボジア人に独立の根を植え付けてくれなかったことだ。〜中略〜 そして、言いたくはないが、カンボジアを崩壊に導いたいちばんの責任はカンボジア自身にある。2022/08/23

Arte

2
クメール・ルージュ下を生き抜いた人の体験記だが、主人公が医者によく見るイヤな性格であるところが馴染めないものの、一昔前の日本にそっくりな考え方の社会が、突然クメール・ルージュに制圧されてしまう様子を読むと、今まで日本がこんなことにならなかったのは地理面等々で運が良かっただけで、今だってオウムその他の新興宗教は存在しているわけだし、いつでもこんな目に会う可能性はあるのだと心底から感じさせられた。2008/02/10

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