内容説明
ある日―。天下の漂浪客、孫武はこの日も布袋をひとつ肩にかけて、飄然と家を出た。ときまさに乱世で、列国の諸侯はたがいにもつれあって1日として戦いのない日はなかった。楚の忠臣、伍子胥と孫武が出会うことによって中国の春秋戦国時代は大波乱の幕を切っておとす―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
デビっちん
3
孫武は、伍子胥の楚への復習の手助けと自分の兵法研究の実践のために呉の軍師となった。連戦連勝よりも戦わずして敵を屈服させることこそが最善。兵法を正しく研究するには、古戦場を熱心に踏査するのが最高の道。いくら知っていることでも聞くたびに新たに思い当たることがある。孫武は実に色々なことを見て考えを深めていたのだなと感じた。『孫子の兵法』に出てくる格言をストーリーとして学べて楽しかった。伍子胥の執念がすさまじく、これが夢を叶えるために必要な熱量なのだとも感じた。長編小説は読みだしたら止まらない。2015/06/21
紫暗
1
タイトルは孫子の兵法となっていますが、上巻はどちらかといえば伍子胥の方が出番が多く、主人公は伍子胥のような印象を受けます。兵法自体を小説仕立てというところに既に難しさがあるのかもしれませんが、肩透かしな感じです。同じく伍子胥を描いた作品は宮城谷昌光の書いたものの方が遙かに面白かったです。上巻の公判でやっと孫子が表舞台に出始めますので、孫子の兵法としては下巻に期待です。2011/10/17
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