出版社内容情報
数千年前に人類に「自己認識」が芽生えてから、人類が長年拘束されてきた「因果の物語」の終わりと、「新しい物語」を提示する。
内容説明
私たちが有史以前から世界を理解してきた時系列の因果に沿った方法、「因果の物語」。人間は他の生命にはない自意識を持ち、「因果の物語」によって世界を認識することで、文明を発達させてきた。しかし自意識は同時に、「因果の物語」に沿って人生の目標やゴールを決めなければならないということを強制してくる。暮らしがいずれ豊かになっていくことを期待できた時代には、それに納得できる部分もあった。しかし二十一世紀の私たちは、そういう自由な選択による目標の設定を、抑圧として感じるようになってきている。その時代には、時系列に沿った人生の目的を考えるのではなく、新しい哲学が必要になる。それはすなわち、私たちは生きているからこそ生きているのであって、そこには過去も未来も現在もなく、「生きよう」と思った瞬間に「生」はただ立ち上がるのだという直感的な認識なのではないだろうか。最新の学問と技術から考察した「新しい人間哲学」ここに誕生。
目次
プロローグ 未来は希望か絶望か
第1章 鮮明な過去はつねに改変され、郷愁は消える
第2章 過去は「物語」をつくってきた
第3章 「因果の物語」から「機械の物語」へ
第4章 「自由」という未来の終焉
第5章 摩擦・空間・遍在のテクノロジー
第6章 新しい人間哲学の時代に
エピローグ ひっそりと、ともに歩く
著者等紹介
佐々木俊尚[ササキトシナオ]
1961年生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。作家・ジャーナリスト。毎日新聞社などを経て2003年に独立し、テクノロジーから政治、経済、社会、ライフスタイルにいたるまで幅広く取材・執筆している。著書多数。総務省情報通信白書編集委員。共創コミュニティSUSONO運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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