内容説明
戦争で家族を失ったおとらおばさんは、故郷の小豆島へ帰ってきた。母親を失った一郎少年も焼けだされて島へ帰ってきた。戦争の痛手をうけた人びとの美しい人間愛を郷土色豊かにうたいあげた『二十四の瞳』の作家、壷井栄の長編小説。第二回文部大臣賞受賞。光文社創業60周年記念出版。
感想・レビュー
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もぐちゃん
5
戦争で家族や家をなくした人たちが助けあい、思いやりを持ってみんなで立ち直ろうという姿が美しいです。心が洗われる作品です。小豆島の美しい自然と子供たちのやりとりがほっこりしますよ(^-^)オススメです❤2015/07/30
けむりの猿c((•ω•))ɔ
0
読んだのは金の星社刊。タイトルだけは知っていた本。もっと暗く悲しい物語だと思っていた。声を出して笑う事が幾度も。誰も彼もが苦しみ悲しんだ時代だからか、誰も彼もが人に優しい。おとら小母さんの無償の優しさ、史郎のおじいさんの慈しみ深い優しさ。こんな人たちが戦後の日本を支えてくれてたんだね。物語ではあるが、その時代の本当の温もりが伝わる素晴らしい作品でした。1つ疑問が残った箇所。ロシア(シベリア?)で捕虜になってた兵隊さんに世間の印象が良くなかったのは何故だろう。2021/03/27