内容説明
本書は、日本で初めての「中国回帰論」であり、いま巷間にあふれている「中国脅威論」を打倒するための「日中友好」を説く本ではない。そのような観点からは、もはや日本の未来は見えてこない。現在、韓国も台湾も急速に中国に吸引され、東アジアに「新しい秩序」が生まれようとしている。日本がこの両国に比べてまだ均衡を保っているのは、経済的、軍事的に、この両国より大国だからにすぎない。しかし、この状態はもう続かない。政治は冷えていても経済が一体化してしまった以上、もはや、私たちは後戻りできないからだ。とすれば、日本は一刻も早く対中戦略を転換すべきではないか?中国は日本で伝えられるような「反日国家」ではない。このまま対立を選ぶよりは、指導層と国民を「親日」に変えることこそが、日本の目指す道である。そして、先進技術と環境対策、北朝鮮問題などで中国と同盟する未来こそが、私たち日本の国益にかなう。日本の「中国回帰」は、これまでの西洋中心の世界史から日本が自らの力で抜け出すことを意味し、さらに、東アジアが西欧帝国主義が来る前の時代に戻ることである。日本がこの道を選択すれば、歴史は必ず逆転する。日中が組んだ「東洋文明」が世界をリードする日が、必ずやって来る。
目次
序章 なぜ中国につくべきなのか?
第1章 一体化する日中経済
第2章 中国式新外交を読み解く
第3章 中国に吸引される近隣諸国
第4章 中国を取り込むための2つの戦略
終章 中国の民主化が始まった
著者等紹介
近藤大介[コンドウダイスケ]
1965年生まれ、埼玉県出身。東京大学教育学部卒業後、1989年に講談社入社。『FRIDAY』編集部、『週刊現代』編集部、月刊『現代』副編集長を経て、『週刊現代』副編集長。東アジア取材をライフワークにしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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