内容説明
その昔、理科の授業で水の電気分解を行った人は多いだろう。これは水を電気の力で酸素と水素に分解することだ。その逆に、水素と空気中の酸素を使って発電する仕組みが、燃料電池fuel cell batteryである。燃料電池なら廃棄物wasteは熱と水だけだから、「これは最高のクリーンエネルギー」として、現在世界中で開発競争が始まっている。石油の枯渇が心配されるなか、水素は「地球温暖化」global warmingを防ぎ、人類を救う究極の技術とされる。しかし、科学者や政治家はバラ色の未来を語るが、本当にそんなクリーンな世の中がやってくるのだろうか?結論から言えば、水素社会hydrogen societyなんて簡単にはやってこないというのが、著者の立場である。「地球温暖化」も「水素」も、実は政治的に利用されているだけなのではないか?では、誰がどのように利用しているのか?その答えを知れば、あなたの世界観はガラリと変わるだろう。
目次
1 「地球温暖化」という欺瞞
2 もし、世界が100億人の村だったら
3 幻の水素社会
4 水素の魔力にとりつかれた人びと
5 「負け組」を負けさせ続ける「勝ち組」たち
6 水素社会なんてやってこない
著者等紹介
藤井耕一郎[フジイコウイチロウ]
1952年、北海道生まれ。編集者、予備校の理系論文の講師を経て、現在フリー
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