ロスト・ケア

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  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334928742
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

社会の中でもがき苦しむ人々の絶望を抉り出す、魂を揺さぶるミステリー小説の傑作に、驚きと感嘆の声。人間の尊厳、真の善と悪を、今をいきるあなたに問う。第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

著者等紹介

葉真中顕[ハマナカアキ]
1976年東京生まれ。2009年児童向け小説『ライバル』で角川学芸児童文学賞優秀賞受賞。2011年より「週刊少年サンデー」連載漫画『犬部!ボクらのしっぽ戦記』にてシナリオ協力。他、ライターとして学習誌の記事、コミックのシナリオなどを手がける。2012年『ロスト・ケア』にて日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

420
あまりに辛い物語。人間社会の問題点の核心をついている。誰もが気付いているのに気付かない振りをしている、しかし人間として生きている以上誰もが避けては通れない、その問題点。このように堂々と提示されると。心がえぐられた。あまりに辛い。俺が亡き父に、亡き母にしてきた事は。2023/05/10

たる

396
「殺すことで彼らと彼らの家族を救いました。僕がやっていたことは介護です。喪失の介護『ロスト・ケア』です」圧倒的な社会派ミステリ。これはすごい……介護の現場の人にも一考して欲しい。一般の人にも知ってほしい。登場人物の一人ひとりを通して突きつけられる作者を訴えが刺さる。。 なんなんだよこの構成力とリアリティ…… この裁判で糾弾されるべきは僕たち全員だ。今の日本に一石を投じた小説と言えるだろう。2016/07/16

ミカママ

393
スゴい作品だね。読んでる間じゅういろんなこと考えさせられて、ラストはどんでん返しだし、読み終わってやっと、タイトルの意味がしみじみわかる仕掛け。これがデビュー作かぁ(再しみじみ)。2016/07/29

みんと

368
介護という容易に這い上がることのできない穴。 いつ落ちてしまうかわからない、ギリギリの淵を歩くような生活の人だって少なくはない。 仕事や家庭と介護の両立の難しさ、時間、労力、経済的な問題とのバランスの取り方。 経済的に充分な介護サービスを受けられない場合もあれば、核家族化の今、一人で抱え込まなければならないこともある。 もちろん、人の命を奪う行為はどんな理由の下にも許されることではないが、介護をする者へのケアの充実を心から願う。2014/01/28

いつでも母さん

337
『絶叫』を先に読み、必ず読みたいと待っていた作品。葉真中さん、凄いわ!正直、〈彼〉に同化して読んだ箇所も多々あった。わかってる・・犯罪だよね。だが、家族内介護の悲惨さ・過酷、それにより蝕まれていく介護者の精神を誰が汲み取ってくれるのか?これは現実だ!育児ノイローゼもある程度理解はできるが、そっちはまだ成長する救いがあるよね。こっちの介護はいつか己も置かれる身としての恐怖も有るのだと思う。これからもっと高齢化が進む日本人に問題提起している作品だ。〈彼〉は【必要悪】か?私には洋子の気持ちが切なく伝わった・・2015/01/11

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