内容説明
尽誠会巴組の組長・水谷優司の幼馴染み・神楽武雄が刺殺された。前夜、優司は本人から「しばらく横浜を離れる」と聞かされたばかりだった。事件の謎を追い始めた優司は、武雄がフィリピンの女性を妊娠させた日本人を恐喝していたことを知る。さらに、水谷家にホームステイしているフィリピン人留学生・シェリーの両親も三年前に殺されていることがわかって…。一連の事件につながりはあるのか。悲劇の裏には、いったいなにが―?第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
著者等紹介
川中大樹[カワナカヒロキ]
1968年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。以後、メーカー、不動産会社、広告プロダクションなど職を転々。『茉莉花(サンパギータ)』で第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanco
19
カッコイイヤクザ…ってのが、どうもピンと来ない。前半の優司は、ヤクザというより「探偵」という感じ。後半は、ヤクザらしい抗争シーンも出てくるのだけれど、このギャップが私の中で埋まりませんでした。舞台は地元・横浜なので地理感もあって楽しめるはずが、どうにもノッてこない。物語がブツブツと途切れ、作品に入って行きにくかった。 ミステリーとしての謎の部分は、解りやすく早めにわかってしまうのだから、いっそキャラクターで押していったほうが良かったのかな。続→ 2012/05/03
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
19
ミステリーの文学新人賞受賞作だけれど、ハードボイルド色の方が強いかな。 でも、誰にも馴染みやすい、ある意味ファンタジーっぽいソフトさ。 若いヤクザの組長が、弟分が殺された理由を探偵の真似事をして探ると、自宅にホームステイさせているフィリピン人女子学生の両親が三年前に死んだ事件との繋がりが見えてくる…。 主人公の周りはヤクザだろうと一般人だろうと良い人ばかりで、敵はとにかく極悪人! お約束通りの展開ですが、すっきりとした読後感。 今野敏さんの「任侠シリーズ」が好きな人にオススメ☆ 2012/03/06
夜梨@灯れ松明の火
18
日本ミステリー大賞新人賞受賞。そして、やくざの組長が、幼馴染が殺された事件の謎を追う…というストーリーから、ハードボイルドを期待して読みましたが、「ハード」ではなかったかも?「いい」ヤクザという設定が面白いですね。読みやすかったので、一気読みでしたが、もう少し心に残る「何か」が欲しかったかも?2012/07/22
外道皇帝
17
主人公がヤクザの組長なのだけど、あまりに良い人過ぎてちっともヤクザらしくない。というかあまりに矛盾した存在。普通にハード・ボイルドな探偵でいいんじゃないのかなあ。終盤でようやく国際的臓器売買がテーマだったと分かるのだけど、テーマが表に出てくるまでが遅すぎてもったいない。2012/05/11
yuu@mayu
15
『☆☆☆☆』殆ど一気読みだから面白いといえば面白い。新人賞といえば納得。しかし、何かが足りない…。 2018/09/20