二人静

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  • サイズ B6判/ページ数 461p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334927288
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

父親の世話、娘の場面かん黙症、夫の暴力、恋人の自殺…それぞれに事情を抱える二人が出会ってしまった。真実の愛には、何ができるのか。リアリズムの名手が、精神の進化に挑む感動大作一〇〇〇枚。

著者等紹介

盛田隆二[モリタリュウジ]
1954年、東京都生まれ。情報誌「ぴあ」編集者の傍ら小説を執筆し、85年、早稲田文学新人賞入選。90年『ストリート・チルドレン』が野間文芸新人賞候補作、92年『サウダージ』は三島由紀夫賞候補作となる。96年から作家専業。男女のやるせなく切ない恋愛小説を中心に、現代人の「居場所探しの旅」を描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

80
認知症の父の介護をする32歳の町田周吾と、夫のDVで離婚し場面緘黙症の娘と暮らす介護士の乾あかり。2人のこれから、いや、父恭三と娘志歩との4人の未来が明るいエンディングで良かったです。しみじみ余韻に浸れる良書2016/09/06

ミカママ

71
表紙の絵(すてきです)から、勝手に「二人静」というのはあかりとその娘、志歩のことなのかと想像しながら読み始めましたが、読み終わって、これはあかりと周吾なのかも、と感じています。あかりにとっては元夫、そして周吾にとっては以前の恋人とのつらい過去から立ち直れず、お互いの関係をなかなか前進させることのできない二人。なんて切ない、そしてなんてじれったい!盛田さんの作品は、割と男女がぐいぐいいってしまうイメージ(失礼!)だったので、これはかなり新鮮でした。でも濡れ場なし・・・がっかり。(笑)2014/04/07

choco

69
いつか自分も感じるであろう、親の介護負担。どんどん認知が進み親子だからこそイライラしたり感情的になったり。そしてまた、あかりは夫のDVから幼子を連れ、命からがら逃げ切る母娘。現実は大変で、いろいろ考えたら頭がどうにかなってしまいそうな程、光が見えないように思うけど、それでも生きる意味を見出す登場人物たちは、ホントに強さを感じる。命あるかぎり、生きるしかないのだ。2016/12/10

ぶんこ

63
親の介護が主題だけに身につまされ、徹夜覚悟で読みふけりました。父親の担当介護士乾さんには壮絶な苦しみがあり、周吾さんにも辛い過去があり、お父さんは家族には優しくない父でした。自分勝手だった親に、私だったら周吾さんのように親孝行できただろうか?老健にお世話になっている間に、家族は必死で次の施設を探さなくてはならず、それは親への優しさを失わせるほど過酷な日々。そこが描かれてなかったのだけが残念。優しすぎるがゆえに苦しみ続ける周吾、あかり、志歩が幸せになりそうなエンディングでホッとしました。2016/09/12

nyanco

33
本友さんのおすすめ本。久しぶりに読んだ盛田さんの作品、とても良い作品でした。母亡き後、痴呆の症状が出始めた父、仕事をしながら一人で面倒を見ることに限界を感じ、介護施設に行くことに…そこで介護士の女性と知り合う。DVの夫と別れた後、緘黙症の娘を育てながら働くあかり。二人はお互いにひかれあうが…場面緘黙症のあかりの娘に自身の吃音の経験を話す周吾の様子がとても印象的。周吾とあかり、二人には幸せになってもらいたい。二人が一緒に住めば解決するのでは…と思っていたら、またまた二人の前に難題が…続→2015/01/03

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