内容説明
私は魂を東京に落としてきたに違いない。居場所をなくした男たちが、生きる意味を探す女たちが、自分の場所を求めて那覇の街にやってくる。それぞれの思いを、東シナ海からの湿気の底に沈めて。今日の那覇と人を描いた連作長編。
著者等紹介
いしかわじゅん[イシカワジュン]
1951年愛知県生まれ。明治大学卒業後、短いサラリーマン生活を経て、漫画家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まど
24
さすらったわけではないのですが、わたしもとある離島に4年住んだことがあるので、『なじめない何か』という感覚を懐かしく思い出しました。「わたしには、もっと違う場所があるはずだった。わたしに用意された場所が、きっとどこかにはあるはずなのだ。そうじゃなかったら、生まれてきた甲斐がない。誰が座ってもいいこの場所じゃなくて、わたしにはわたしの場所が本当はあるはずなのだ。」という文が印象的。沖縄の開放的なところ、閉鎖的なところが伝わってきました。沖縄の人は短距離でもタクシーに乗るということにびっくり。2010/10/03
桃水
20
2010/08/19:「ここじゃないどこかをさがして」本土から那覇にきた人々を描いた連作短編集。 読友さんの感想を読んで沖縄(那覇)が舞台ということで読んでみました。 帯の後ろ側に「私は魂(まぶやー)を東京に落としてきたに違いない。」とあるのをみて、『本当に』そう思うならユタ(霊能者)に魂込してもらえばいいのにと思ってしまいました(*ノノ) ここで言う魂が(体から抜け)落ちた状態とは仮死というのではなく、驚いたり災難にあった後、一見元気に立ち直ったように見えてもどこか生気が薄いというか自失(呆然と)2010/08/19
陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙とロケットが好き
16
沖縄にずっと居て読む方が良かったのか、東京で故郷を想い手に取る方が良かったのか。沖縄に移住して来た人達の物語。あのカフェのモデルはもしや?と思ったり、建設的ではない独立志向やディープな沖縄の匂いを漂わせたり、具体的な土地名や感覚に、都落ちした私には距離感がアリス症候群みたいにクラクラ眩暈がするような読後感。都会からの移住者には共感多いかもしれません。スタバで読んでるけれど、A&Wでルートビアが飲みたくなる、そんな感じ。沖縄の女の子がみんな性的に奔放なわけじゃないんだよ?と思ったけど、南の島への開放的な憧れ2014/04/22
CAFECAFE
12
都内のカフェの話なのかな~と思ったら、舞台は沖縄。島の眩しい楽園生活ではなく、どれもほろ苦い話だった。地元の人と本土からやって来た人との越えられない垣根や、踏み込めない領域が水面下にあるんですね。沖縄に限らずどこでもそうだが、観光と暮らすのとでは、全然違うものなんだな~と改めて思わされました。移住しても、前進していると思えない人達。でも一杯のコーヒーにホッとしている人が島のあちこちに居る。最初はファイアーキングカフェはどうなっちゃうんだ?と思ったが、愛される店として根付いたようで良かったです。2010/11/16
山田太郎
10
沖縄好きで、何回か行ってるのでたいへん楽しく読めました。ダリアちゃんがいい2010/09/29
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