いつまでも白い羽根

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334926670
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

家庭の事情から看護学校に入学した瑠美。そこでそれぞれに異なる三人と共に学校生活を送ることになったが…。

著者等紹介

藤岡陽子[フジオカヨウコ]
1971年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大留学。慈恵看護専門学校卒業。「オール讀物新人賞」、「小説宝石新人賞」の最終候補に二度ずつ残る。2006年、「結い言」が、宮本輝氏が選ぶ「北日本文学賞」の選奨を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

pino

169
藤岡さん初読み。奇をてらわない文章が心を打つ。主な登場人物は看護学校に通う三人の女性。その個性がぶつかり合い響き合うさまが、厳しい実習や恋愛感情をからめて緻密に描かれる。若さゆえの一途さや正義感が重くてひりひりする。私も読みながら若くもないのに幾度、心を擦りむいたことか。でも「若さゆえ」って貴重なんだよなぁ。ガッツリ悩み傷つく。伝わらない言葉。白いままであろうとする心。その時でないと掴めないもの。作品には、彼女たちの成長を通して若者へのエールが込められているようだ。ひたむきに生きる人へ送る真摯な言葉たち。2014/11/07

いつでも母さん

157
これがデビュー作だったとは・・ガツンとやられた感じで一気に読了。まさかあの四人の中で瑠美だけが卒業するとは思わなかったなぁ。3年間の看護学校での様々な様子、実習、人間関係等『覚悟』を持った者だけがこの先の社会で、どんな色にもなり得る白衣を着て生きていくのだろう。プロローグから第19章までズシンと響いた作品だった。ナイチンゲールはどんな思いで彼女らを見ているのかーそして、道は違えても千夏の優しさが嬉しいし、私服で退院したという友香の幸せを願わずにいられなかった。今頃だが読んで良かった・・2016/05/10

なゆ

84
大学受験に失敗し、ほとんど嫌々ながら看護学校に進んだ瑠実視点の看護学校&実習の日々。同じ班のメンバー達や、実習で担当する患者たちとの関わりの中での成長。白衣の天使への夢や熱い想いといった描かれ方ではなく、実に淡々と現実的な看護師への道といった感じがよかった。卒業に向けてのラストは、ちょっと意外な展開だったかも。正しいと思ったことを貫き通した人ばかりがやめてしまうのはなんだかなぁ。〝いつまでも白い羽根〟でいることは難しいのかもしれないけど、そうあり続けてほしいという願いなのだろうか。2015/04/26

ゆみねこ

76
不本意ながら進学した看護学校。3年間の学業を終えた木崎瑠美の背中には真っ白な羽根があるかもしれないと思う読後感。これがデビュー作とは、藤岡さんのクオリティの高さがうかがえます。身内に看護に携わるものがいるので、これを読んで一段と彼女らに対する思いが深くなりました。千夏のような人にこそ、看護の仕事をしてほしかったですね。2016/05/23

美登利

76
とても深くて静かな感動を覚える小説でした。主人公は人との関わり方が苦手で壁を作りがちで、勝ち気な物言いで少し嫌味な印象を受ける瑠美。大学受験に失敗し入学した看護学校、そこで出会った3人の同級生と時にはぶつかりながらも段々と成長していく姿が、厳しい授業内容、恋愛問題、友情を絡めて描かれています。他の3人も個性的でどの人物の一部分は自分にもあるような事だと思え、息づかいが伝わってくるようでした。私も友人に看護師が何人かいるので、投影して読みました。全てがまるく収まる内容でなかった事も現実感がありました。2015/06/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/202378
  • ご注意事項