内容説明
華々しい経歴を持ちながら、訳あって自分の絵筆がとれない洋画家の本庄敦史は、師の勧めにより知的障害者更生施設「ユーカリ園」でアートワークグループの指導をすることになった。初めて訪れた「ユーカリ園」の園庭で敦史は、あどけなくも美しい“妖精”を見る。22歳の河合真理亜は、少女時代に殺人現場を目撃し、自らも殺人犯に襲われて崖から転落、頭部を打った後遺症による精神発達遅滞のため、「ユーカリ園」で暮らしている。敦史に絵画の指導を受け始めた真理亜―高度な直観像記憶の持ち主であった―が見せる驚異的な画才は、瞬く間に評判となるが、あるとき彼女が描いた一枚の絵が、真理亜の、そして敦史の運命を激しく翻弄する。その絵こそ、十数年前に発生した「連続殺人事件」現場の風景だった…。
著者等紹介
三上洸[ミカミアキラ]
1967年東京都生まれ。’02年、『日出づる国のアリス』で第六回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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青蓮
46
タイトルに惹かれて手に取りました。内容はまあまあ面白かったけど、なんか前半と後半がチグハグと言うか、結末へ向けての物語の助走が長すぎるような気がしました。もうちょっとコンパクトにしてもいいかも。総合的にはちょっといまいち。2015/09/04
RIN
20
劇画チックが過ぎるが、ページターナーな作家さんであることは間違いない。にしても、敵組織の設定に無理あり過ぎだと思う。2014/12/03
そのぼん
10
美しい少女の描く絵画の世界と、血なまぐさい殺人事件の対比がとても鮮やかでした。 少女と、手助けをしていた元画家との未来はどうなるのか、余韻を残す終わり方でした。2012/05/14
たこやき
6
分量がありながらも、どんどん読み進められるリーダビリティの高さは◎。ただ、途中までは、現実的な形で進むのに終盤、いきなりハリウッド映画的な展開なのは違和感が……。犯人の側が、自分で真理亜に手を出しづらい状況を作るとか、そういうのを含めて、色々と「甘さ」を感じざるを得ない。2010/12/09
かいっし
4
途中から荒唐無稽感強すぎ。敵がえらい強そうな組織のはずなのに女の子一人倒すのにどんだけ手間かかっとんねん!とツッコミ多数。ただの絵かきがB・ウィルス並みの能力発揮したりするし、ゲーム本みたい。日本人らしからぬ会話といいなんだかなあって感想。2012/11/24
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