出版社内容情報
刑事たちの葛藤と捜査過程を丹念に描き、核心へと迫る刑事ドラマ。すべての糸が繋がったとき、意外な結末が・・・。刑事小説の傑作登場!
内容説明
多摩川土手に乗り捨てられたワンボックス・カーから、血塗れの左手首が発見された!姫川玲子たち捜査一課殺人犯捜査係の刑事たちは、所轄と組んで捜査にあたる。しかし、手首の持ち主と思しき男の周辺を調べていくうちに、つぎつぎと意外な事実が浮かび上がって…。進境著しい俊英・誉田哲也が渾身の力をこめて描く、丹念に積み上げられた捜査小説にして、胸をうつ犯罪小説の白眉。
著者等紹介
誉田哲也[ホンダテツヤ]
1969年東京都生まれ。学習院大学卒。2002年、『ダークサイド・エンジェル紅鈴妖の華』で第二回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。2003年、『アクセス』で第四回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。『ストロベリーナイト』と『ジウ』全3巻が評判を呼び、次世代のエンターテインメント作家として、多くの注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさらぎ
117
父親は子供のためにどこまでできるのかがテーマ。母性は直接子供に向いているが父性は外に向いていることが多い。意識の戻らない子供の入院費のためにできること、我が子のように大事な人たちが一生脅されずに安心して暮らしていけるためにできることは何か。そばにいられなくても子供を守るために。今まで出てこなかった玲子の父親にも触れている。あの事件のあと包丁を握りしめている父親の震える背中、自分のために犯人を刺し殺そうとしてくれた父親。あやまる母親とは対象的だ。愛情を受けそれを感じて生きてきた者は真っすぐに生きていける。2017/07/17
ひらちゃん
83
手首だけってのと、ホームレス。最初から何があるってずっと勘ぐってた。事故と父性愛と絡んだ糸。狂ってしまった人生をやり直せていたのに。悲しい結末でした。三島には強く生きて行って欲しい。気になる姫川と菊田。こんなシーンもあったのかー。井岡がうろちょろしてて笑える。相容れなかった日下との距離も縮んだ気がした。2020/12/04
かずよ
80
ストロベリーナイトと同じようにあっという間に読ませてしまうのは流石です。血は繋がっていなくても家族愛、父性がテーマ。最後ぼろぼろ泣いてしまいました。とても良かったです。2011/04/12
とも
56
★★★結構期待して読み始めたんだが、なんとなく入り込みづらく、が故に間に何冊かの本を挟んで読んだために前後関係もあやふやになり、全く入り込めなく最後は読み流すことになった。とはいえ、全体に薄っぺらく感じられたのは読み方の問題だったのか、作品だったのか、次回作で判断しよう。内容は刑事もの殺人事件 で、パターン的な金、恨み、混乱、それなりのドンデンはあるものの、対して真新しい発想も無かった。2016/02/12
銀河
56
よかった!バラバラ死体を扱った恐ろしい事件なのだが、高岡賢一の語りの部分で涙腺やられた(とにかく涙脆い)。事件のトリック的な部分が先にわかってしまうのに関わらず、ラストまで読ませてしまうのはお見事。最後に、あの部分をもう一度読み返してしまう。あの時に戻れたら、と仕方のないことを考えた。ああ、悲しい。ストロベリーナイトをドラマでさらっと観ただけなので、姫川以外の面々がわからなくてもったいなかった。刑事さんたちの楽しい雰囲気が大好き。このシリーズまた読みます。2011/04/18