内容説明
「寛は何を集めているの?」と鈴子が聞いた。「昆虫」と寛は適当に答えた。「何と何を捕ったの?」「まだ。夏休みは始まったばかりだろう。もう宿題をやっているのか?」「夏休みはあっという間に過ぎるのよ」少年にしか見えないこの世界の真実を描く、芥川賞作家の書下ろし長編小説。
著者等紹介
又吉栄喜[マタヨシエイキ]
1947年沖縄県生まれ。’96年『豚の報い』で、第114回芥川賞受賞。自然、風習を“近代”から守りたいという願いで創作を続ける。ユーモラスな会話には定評があり、その人間同士の微妙なズレからドラマが展開していく(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
53
沖縄を舞台にした少年たちのひと夏の物語。 小学生から中学生までのガキ大将を中心にした男子のヒエラルキー。 飲酒やちょいと不良に興味を持ったり、隣町のグループと決闘をしたり、女子との距離感が難しかったり。 でも、そこにはちゃんとした秩序がある。超えてはいけない一線を誰もが知っている。 現代と大きく異なる点は、大自然がフィールドであることと、大人には誰しも威厳があること。 こうして子どもの頃から、自然を慈しみ人を敬うことを学習して来たのに。嫌な世の中になったもんだ。2016/07/21
本読みらくださん
1
中身は姿形に表れるそうだよ2015/08/29
ケロたん
0
南の島の少年のひと夏の物語。ガキ大将や少女、冒険などもあるのだが、私にはイマイチ。マッキャモンの少年時代、キングのスタンドバイミーが好みなので、少々、ジャンルが違うのかも。2013/11/18
kei
0
子どもたちの理不尽な関係性と自然いっぱいの遊びが、懐かしいような感覚を呼び起こす。また、子どもたちの目から見た大人の勝手さもみえながら、エミの生を通じた逞しさや何か自己完結させる意気込みのつつましやかさを感じた。素直に、そっと読めた。2013/10/08
mariemaruru2
0
実際にある島なのかどうかわからないけど 沖縄らしい動植物や魚たち、小中学生と大人たち。日頃、生き物と直接関わっているから 命の大切さがわかる、都会に住む子どもたちはどうなのか。2012/03/18




