内容説明
豊かで美しい本州最北の地・津軽に生まれ、母に「大将軍になりなされ」と吹き込まれて育った餓鬼大将・弥四郎(後の津軽為信こと右京亮)。津軽を足がかりにしてのし上がり、天下に覇を唱えんと、仲間と共にあらゆる手管を用い版図を広げていく。しかしその頃中央では、豊臣秀吉が圧倒的な力で各地の大名をねじ伏せ始めていた…。北東北の勢力地図を一代で塗り替え、地元で今も「髭殿」と愛される津軽為信。彼の痛快な人生を魅力的に描いた傑作誕生!
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業。’96年『一所懸命』で第64回小説現代新人賞受賞。「岩井三四二に外れ無し」と言われ、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で第10回松本清張賞、’04年『村を助くは誰ぞ』で第28回歴史文学賞、’08年『清佑、ただいま在庄』で第14回中山義秀文学賞、’14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で第4回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とん大西
117
~ん、津軽(^o^;)。仙台から北に行ったことのない私には、ちょいと地理感覚が…。なるほど、津軽為信。こんな梟雄がいたんですね。北の果て・津軽の覇権をめぐり南部家や安東家とがっぷり四つの20数年。その最中に中央で勃興した秀吉になす術なく膝を屈する地方大名の悲哀。しかしながら、その後の身の振り方をみてみると、激しい栄枯盛衰が繰り広げられる時代にあって、上手な世渡りができたのではないだろうか。意図してなくても、たまたまだったとしても。本作はダイジェスト版のような趣。今度はもっと深掘りした為信を読んでみたい。2023/07/23
雅
50
津軽藩祖である津軽為信の伝記小説。生き残るために奔走する姿はたくましい。最後まで飽きずに読了2023/08/17
ポチ
50
弱小大名から津軽藩の藩祖となり江戸時代を生き抜いた津軽藩を作った津軽為信。面白おかしく描いているが、梟雄•津軽為信を読んでみたい2023/08/03
優希
41
青森の複雑な歴史を知ることができました。戦国時代から江戸初期までの津軽武将・為信の生き様は苦労もあったことでしょう。面白かったです。 2023/12/17
花林糖
19
図書館本。津軽の大浦家に娘婿入りした弥四郎。後の陸奥国弘前藩初代藩主津軽為信。青森は西側が津軽、東側が南部との事。前半は国盗り物語の様に城を落とし領地を広げていく。その後は豊臣、関ヶ原を上手く乗り切り津軽家は当地で代々大名として続き明治維新を迎える。津軽から遠く離れた京の豊臣、江戸の徳川への対応の苦慮が印象的でした。 2023/10/06