内容説明
一日1錠、採血8回。13日間、三食保証いたします。…ただし、決して誰も信じないでください。隔離生活を襲う得体の知れない事件の数々。治験が終わるまで島から出ることは許されない。狙われているのは被験者か病院か、それともこの島か―
著者等紹介
岡田秀文[オカダヒデフミ]
1963年、東京都生まれ。明治大学卒業。1999年「見知らぬ侍」で第21回小説推理新人賞を受賞し、2001年『本能寺六夜物語』で単行本デビュー。2002年『太閤暗殺』で第5回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。2014年『黒龍荘の惨劇』が日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞の候補に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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麦ちゃんの下僕
138
C県中総市にある「西ヶ島」は、本土と連絡橋で繋がっており、水族館や“女神伝説”の史跡がある観光の島であると同時に、総合病院や研究開発施設が立ち並ぶ最先端科学の拠点でもあり、「治験島」という通称で知られている。/中世の歴史小説や近代を舞台にしたミステリーで知られる岡田さんの最新作は、意外にも(!?)現代の医学がテーマ。前半は立て続けに事件が発生して興味を惹かれますが…徐々に明らかになる“真相”が期待外れというか、“そっちじゃない”感が強いというか…。そして岡田ファンが思うのは…またそのパターンかよ!!(笑)2023/09/18
machi☺︎︎゛
100
タイトルが面白そうで手に取った初読み作家さん。ある島の病院でアレルギーの治験が行われ、参加したのは20歳から70歳までの10人の男性。この治験島と呼ばれる島で13日を共にする。そして転落事故、殺人事件と次から次へと事件が起こる。設定はすごく面白いんだけど何故か全くと言ってもいいほど入り込めず、最後まで読んだけど、ふ〜ん、そっかぁ。という感想。専門的な話も出てきて私にはあまり合わなかった。2023/08/19
かな
53
タイトルから隔離された島を連想しクローズドサークルだとばかり思っていたのですが、まあ、ある意味閉ざされた環境ではあるのですが。治験の説明やら専門的なことの記述は大事なことなのでしょうが読むのがめんどくさく、その部分は流し読み、それ以外は読みやすかった。ミステリーとしてはこじんまりと纏まっていた感じでした。探偵役の亜館はちょっとうざい感じ。エピローグが事件から10年後って10年越しの事件だったの?それと最終頁は亜館って結局何者というか、次巻への伏線?2023/08/27
rosetta
51
★★★☆☆この作家の本は何冊か読んでいるけどいつもなんか残念。最先端医療の島での治験。そこで医師の転落死や毒物事件が発生するんだけど…島の伝説の扱いもイマイチだし、事件の真相は偶然の上にも偶然を重ねたような説得力に欠けるものだし。実は事件の裏に某国の陰謀が、という話も取ってつけたようだし、エピローグで明かされる探偵の正体も余韻を残すつもりかシリーズ化を狙っているのか知らんけどよく分からんし。スイスイ読めて難しくは無いけど、全体の印象としてなんか小粒でパッとしないんだよなぁ2023/08/26
Gemi
40
治験って聞くと良からぬイメージが拭えない。でもやってみたいアルバイトの1つだったのは間違いない。快適な環境で何日間か薬を飲んで生活するだけで高額なバイト料がもらえるから。でも健康体な人しか採用されないと。実際経験したことのある人の話を聞いた時の記憶が蘇る。そんな私の治験イメージでこの物語を読む。治験という特別な環境下で、脅迫文が届く。そして男性医師の転落死。更には島内で発見された女性の白骨死体。被験者に起こる痙攣等…不穏なことが次から次へと起こる。ラストは意外な結末。まぁ全体的に毒にも薬にもならぬ物語。2023/12/18