内容説明
白い死神に翻弄される人々になす術はないのか!?漁師の原因不明の失踪が、発端だった。巨大なホホジロザメが目撃されるようになっても、一時的に迷い込んだだけだろうと誰もが考えた。しかし彼らは、いつまでたっても外海に去ることはなかった。事態は悪化の一途を辿る。追い出せないのか。駆除するしか、ないのか。そもそも、そんなことはできるのか!?平和な海を取り戻すべく、決死の掃討作戦が始まろうとしていた…。
著者等紹介
雪富千晶紀[ユキトミチアキ]
1978年愛知県生まれ。日本大学生物資源科学部卒。2014年、『死呪の島』(受賞時タイトルは「死咒の島」)で第21回ホラー小説大賞“大賞”を受賞。同作は『死と呪いの島で、僕らは』と改題して文庫化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
284
続編やるならこうでなければ!という王道なスケールアップを行い見事に成功。巨大ホオジロザメが三匹同時、序盤から大暴れ。サメの存在が曖昧なままにサスペンスを高める手法であった前作よりも、派手さがかなり増した。往年のハリウッド映画を彷彿とさせる展開。登場人物がかなり多く、その割に、主要人物それぞれに見せ場もしっかりあって端正にまとまっていたので、シリーズ継続キャラの渋川をいっそもっと端役にしても良かった。前作を読んでいないと、急に出てきておいしいところを持っていった感があるのでは。キャラの魅力もちょっと薄味。2023/08/29
パトラッシュ
157
サメ映画は量産され続けているが、サメ小説は『ジョーズ』の原作以来か。瀬戸内海に迷い込んだ人喰いサメが出て行かず被害が続発し、苦しむ被害漁民たちとひと儲けを狙うユーチューバーの描写が現代的で巧み。ヒロインのソウコはカルト信者そのものの不快さ満載だが、真実を知って愕然とするラストの落差が際立つ。しかしスピルバーグが自然と人間の戦いを描いた時代は遠ざかり、科学を悪用した政治的科学的テロは醜悪ですらある。また政府や自衛隊がここまで無策なのもあり得ない話で、動物パニック小説というより政治陰謀小説に近い読後感だった。2023/07/06
chiru
113
漁師の原因不明の失踪が悲劇の発端だった。巨大なホホジロザメが目撃され、迷い込んだのだと思っていたが、彼らはいつまも外海を去ることはなかった。追い出せないのか。駆除しかないのか?平和な海を取り戻す、決死の掃討作戦が始まった。瀬戸内海に巨大な三匹の鮫が侵入し、人や漁業に深刻な被害をもたらした。何故、鮫達は内海から出ていかないのか? 漁師、3匹のホオジロザメ、環境保護団体、研究者、学生、ユーチューバー、そこに海上保安庁などが絡み合う。タコ目線のエピローグ🐙とてもよかった!久々にドキドキワクワクを体験できた! 2023/08/21
モルク
111
サメパニックもの「ブルーシャーク」の続編。瀬戸内海でホオジロザメ3匹が次々と人を襲う。しかも誘導しても外海に出ようとしない、なぜだ!駆除したい漁民たち、それを阻止したい湊子ら保護団体。事態は悪化しそして黒幕は…ブルーシャークでは亀目線があったが、今回は蛸目線がある。サメから逃げる蛸、足を失っても恋する蛸、せっかくサメから逃げても待っていた悲しい運命にため息。なかなかの長編だが、面白く読むことが出来た、次もあるといいな、だけど湊子と渉&りりあは要らないな。2023/07/03
ゆみねこ
84
面白かった!瀬戸内海に巨大なホホジロザメが迷い込み、人を襲い多大な被害を及ぼす。サメを駆除すべきか、海洋生物の保護を優先すべきか。決死の掃討作戦は手に汗握るシーンの連続。なぜサメは瀬戸内海から出て行かないのか?黒幕の汚さは腹立たしいが、途中まで湊子がエキセントリックでウザかった。雪富千晶紀さん、初読み。2023/06/18