内容説明
ある家庭教師の見た情景―苛烈な家庭教育、歪んだ親子関係の実態を描く衝撃の家族小説。過熱する学歴社会に翻弄される親と子。教育の意味と本質を問いかける、台湾で大きな話題を呼んだベストセラー小説。
著者等紹介
呉暁楽[ゴギョウラク]
ウー・シャオラー。1989年、台湾・台中生まれ。台湾大学法律科卒業。2014年、長年の家庭教師経験に基づく本作品『〓的孩子不是〓的孩子』でデビュー
木内貴子[キウチタカコ]
専修大学卒。国立台湾師範大学国語教学センター、中国北京・対外経済貿易大学、中国上海・上海戯劇学院などで中国語を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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せい
5
大学進学率9割という世界有数の学歴社会・台湾を舞台にした教育虐待系毒親短編小説集。筆者は教育ママに育てられた台湾大卒の女性家庭教師で、本作はネトフリのドラマ化が予定されているとか。この前読んだ『母という呪縛 娘という呪い』を思い出した。「子どものケアは母の責任」という男尊女卑の考えによる家庭での父親の不在、その結果としての母子密着が母と子を孤立させ、子の人格を無視した学歴偏重を生むのかなという日本社会とも同根の問題を浮き彫りにする。自分の叶えられなかった想いを子で実現しようとしないよう自分も気をつけたい。2023/04/06
駒
4
タイトルが秀逸。まさにそんな内容。多種多様な家族の物語。苦しむ子供達の姿が辛い。毒親もいるけど愛のある親もいて、簡単に正解が出せることだらけではないけど、子供を一人の人間としてきちんと扱うのは大切な事だと思う。著者は真摯に子供達に向き合ったんだろうな。葛藤もあったろうな。2023/09/10
jolly
3
これはおもしろい。こどもの教育ってのはほんとによくわからん。自分が通ってきた道しかわかんないし、正解なんてないんだろうけど、勉強してないとなんかムカつく。高校には入ったんであとは財布になるのみです。2022/12/06
nene
2
台湾の受験の厳しさと教育熱心さは聞いたことがあったが、さもありなん、という物語。「家庭教師は見た」という副題が合いそう。2024/06/13
しゅうりん
2
前半は、子供たちがあまりにかわいそうで、読むのがとてもきつかった。この母親たちの悩みや苦しみも理解できない訳では無い。でも体罰や叱責が当たり前という考えは無くなって欲しい。子供に幸せになってほしいはずなのに、うまくいかないのは親が子供を思い通りにしたいのにできないから。世間で、子供の幸せは有名な学校に合格することだと思っている人がたくさんいるから。子供も言いなりになってしまうのは、親を悲しませたくないから、そして困ったことがあれば全部親のせいにできるから。台湾のお話でしたが、色々考えさせられました。2023/04/02