出版社内容情報
五十嵐貴久[イガラシ タカヒサ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
190
「変わらないのではない、変えるのです。」きっとみんな心のどこかに思いはあるよね。それを継続していくことが大切で大変なんだと思う。医療過疎地とは言えないが、近い田舎に住む私にとってとても身近な作品だった。正直このモデルになった病院や医師のことは知らなかった。病院も介護施設も経営で、益々高齢化が進む現状に問題は山積みだということだけはハッキリしてる。そこにコロナだものね・・『利他の精神』は医療だけの話ではない。自分を省みてあらためて考えてしまう読書になった。2022/10/15
モルク
144
財政悪化の地方の市民病院。これ以上税金をつぎこみっぱなしでいいのかという観点から民間委託の指定管理にしようとする動きに若き医師が立ち向かう。次々と医師が辞めていき残った34才の医師が院長となり経営を立て直しに奮闘する。三重県の市民病院での実在する話をモデルにしているというから驚きだ。逼迫する地方財政、高齢者が多数を占める病院、地元医師会や厚労省の圧力、さらにはコロナが追い討ちをかける。地方医療では病院、診療科の縮小で行き場のなくなっていく高齢者、妊産婦の問題がある。税金投入と医療弱者救済…難しい問題だ。2023/03/09
ムーミン
123
日頃感じている「行政」と「現場で対象と向き合う人間」の感覚の違いを医療の世界を通して感じました。2023/09/12
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
120
(2023-47)【図書館本】巨額の赤字で経営難に陥った市民病院。医師が次々と退職する。一人残された若き医師速水が病院長に就任し「全ての患者を断らない」をキーワードに病院経営を立て直す。実際に三重県の志摩市民病院で起こったことをモデルにした小説。しかも実際の赤字は七億円!小説の倍の赤字を解消した。生半可な取り組みではできない事だと思う。ただ、仇役である厚労省の意見は正論だ。増え続ける医療費を誰が負担するのか…。★★★★ https://bookmeter.com/communities/3381792023/05/28
初美マリン
117
地方の病院の再生物語。厳しい現実に、一番の邪魔ものが厚労省とは。国の方針は、理解できても腹立たしいの一言だった。2023/11/28