出版社内容情報
拾った赤子は人外の存在で、特殊な力で時の支配者たちを操り凄絶な戦闘を繰り広げていく。史実と伝説が織りなす狂瀾の戦国活劇。
内容説明
信長絶頂期。嵐で破壊し尽くされた離島に巨大南蛮船が漂着。船内には無数の棺、そして一人の赤子がいた。島の網元・利兵衞はその赤子を「姫」と名付け育てる。たちまち美しく育った「姫」は人外の存在であり、特殊な能力が備わっていた。利兵衞の小さな夢を叶えるべく、「姫」は自らの力で支配者たちを操り、異形の仲間と旅をし、各地で凄絶な戦闘を繰り広げていく―。「姫」とは何者?日本で何を為そうとしているのか?
著者等紹介
花村萬月[ハナムラマンゲツ]
1955年、東京都生まれ。’89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。’98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羊山羊
17
歴史小説の皮を被った現代伝奇小説。離島の網元、利兵衛が見つけた謎めいた美少女・姫。彼女の赴くまま、利兵衛は戦国の乱世に誘われる。戦国の世を裏で操っていたのは怪異であるというお話をベースに書かれているんだけど、まぁ姫の妖艶でサークルクラッシュ力の高いこと。ドラキュラなんだけど、次々と配下をつくり、信長、秀吉、家康を手籠めにしていく様は圧巻。あと、姫と利兵衛の逢瀬がめっちゃロマンチック!直接的な情愛描写はないけれど、姫が利兵衛に見せる一途な想い×耽美な描写が泉鏡花成分をギュンギュン補充させてくれる1冊でした。2023/05/01
eipero25
9
起の部分だけ重厚な文体であるのに、後半になるにつれ軽薄化していくのはなぜ?町田康読んで感化されたのか。同じ作家とは思われないぐらい珍妙。弾正星は面白かったのにな。残念な作品となった。ななめ読みさえ苦痛だった。2024/07/20
ララ♂
9
読了2024/07/05
うさ
8
戦国時代の話で南蛮船から現れる人外の姫が主人公なんやけど、物語中ほどまではめっちゃ面白いんやけどな~ 中ほどまでは...中継ぎ・セットアッパー・抑え不在の野球チームみたいな格好で収束していったわ~(笑)2022/08/16
ekoeko
7
島の網元・利兵衛は漂流する南蛮船から赤子を拾い姫と名前をつけるが・・・姫が登場したときは幻想的な話かホラーかと期待したのだが信長、秀吉、家康、キリスト、ユダが登場し一種のパロディ?だったのか。2022/07/09