出版社内容情報
大学教授兼実録小説家の稲本浩三は、小説の題材にした事件の謎を追う中、自分との共通点を見出す。この符合ははたして偶然なのか?
内容説明
大学教授兼実録小説家の稲本浩三は、未解決の中里信治・美絵夫婦失踪事件を題材にした作品の取材を進めていた。事件の経過と残された謎を追う中、稲本は美絵がマルチ商法に関係していたことを知り、驚く。彼もまた類似のビジネスの罠に嵌まった苦い過去を有していたのだ…。奇しくも勤務先の学内では悪質なネットワークビジネスが問題視されている。この符合ははたして偶然なのか?言い知れぬ不安が日常を浸し始めた時、かつて稲本を騙した女の訃報が届く…。大学内に張り巡らされたネットワークビジネスの罠。被害者の学生に寄り添う男もいつしか底なしの闇に足を浸していた…。ひたひたと恐怖がにじり寄る圧巻のクライム・フィクション!
著者等紹介
前川裕[マエカワユタカ]
1951年東京生まれ。一橋大学法学部卒。東京大学大学院(比較文学比較文化専門課程)修了。スタンフォード大学客員教授、法政大学国際文化学部教授などを経て、法政大学名誉教授。2012年、『クリーピー』が第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、作家としてデビュー。『’13年版このミステリーがすごい!』では「新人賞ベストテン(茶木則雄・選)」で第1位となり、’16年には映画化され話題となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
42
主人公の大学教授兼作家が読書メーター(みたいなところ)を常時チェックしていて、その賛否が半々というのが面白かったw実際そんな感じですよね。おまけに主人公に言い寄ってくるような卒業生や在校生は、主人公を異性として意識しているんじゃなくて別に目的があることと、それに主人公は気づかずに一度ならずも二度も鼻の下をのばすところもなんかこの主人公が前川さんの投影なら自虐的だなぁとおもいました。事件は、気持ち悪かったです。それから不明点のおおいところもスッキリいかない感じです。まぁ、現実の事件はそうなのかもしれません。2024/02/09
rosetta
29
★★★✮☆この不思議なタイトルはホロホロ鳥のこと。10年前の一家失踪事件を追う、大学教授でありドキュメント作家の稲本。そして今も新たな殺人事件やオウムの様な弁護士誘拐殺人が発生し、それは10年前の事件とも繋がりがあると思われる。カルト化した宗教団体が仕掛けるネットビジネス。幾つもの未解決事件を繋げ合わせて再構成したような小説。コロナの影が登場人物の行動を制限するのって本当に現実同様うっとおしい!真犯人の正体を含めて分かりやすいミステリーに仕上がっている。2022/07/18
のりすけ
25
キャラが立っていないのか自分の記憶力の衰えがひどくなったのか「あんた誰やったっけ?」が多くてちょっと読むのに難航。内容はそこそこエグいとは思うのですが如何せん淡々としすぎてて、あ、そうなんだ…な…。2022/12/13
hushi亜子
17
前川さんの好きな女性のタイプなのか、いつも出てくる女性には一貫性があってそこもなんか怖いが。 教授と学生というのも好きだなぁ。 でも素人の教授なんだから危険なところに行ってはダメさ。 ギニーファウル、ほろほろ鳥ね。2024/01/07
みいやん
11
大学教授で小説家でもある主人公は未解決事件のドキュメンタリー小説を描こうと試み、さらにマルチ商法とカルトの団体がらみの事件にも巻きこまれて…全体な不穏な空気は作者の持ち味なのだろうが、う〜ん、おもしろかったか?と言うと??2022/08/01