出版社内容情報
四ツ葉自動車の自動運転車が公道試験中に死亡事故を起こす。警視庁サイバー犯罪対策課は、人工知能を使った世界初の捜査に乗り出す。
内容説明
実用化を目前に控えた、あかつき自動車の自動運転車WAVE。しかし公道実験中に急停車し、パワハラ問題を起こしていた先進技術課長が死亡した。犯人と名乗るものから脅迫メールが届くが、捜査は進展を見せない。警視庁サイバー犯罪対策課の斎藤は一課の女性刑事である前之園とともに、人工知能マリスを使った世界初の捜査に乗り出す。「彼女を使うということは、人類が死に近づくことだ」最先端テクノロジー×濃密な企業小説×洗練の警察ミステリ!第14回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作!
著者等紹介
白木健嗣[シラキケンジ]
1989年、三重県四日市市生まれ。愛知淑徳大学文化創造学部卒業。日本マイクロソフト株式会社勤務。『ヘパイストスの侍女』で第14回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aquamarine
89
第14回ばらの町福山ミステリー受賞作。あかつき自動車の自動運転の実証実験中に事故が起こる。サイバー攻撃を起こしたという脅迫文、事故は故意か攻撃かプログラムミスか…。サイバー対策課の斎藤と一課の女性刑事がAIをも駆使して真相を追う。自動運転のプログラムにAIという難しそうな展開だが専門用語が飛び交っても女性刑事に説明する形ですすむのでとても分かりやすかった。真相がわかると伏線がきちんとはられていたことに驚く。AIが人間の作ったプログラムだと再認識しながらも題名の意味が響くラストの展開も印象的だった。2022/04/21
ren5000
33
自動運転の車の事故を発端としたばらのまち福山ミステリー。自動車のことや最先端技術などは斜め読みになってしまったけど事件のトリックは面白かった。惜しむらくは登場人物があまりにステレオタイプばかりで物語をつまらなくしてしまってる。2022/08/10
rosetta
33
★★★★☆14回バラの街福山ミステリ文学新人賞。なかなか良かった。自動運転車の路上実験中に突然停止した車にトラックが追突、乗っていたパワハラ上司が死亡した。自動運転プログラムへのサイバー攻撃か?警視庁捜査一課の女性刑事とサイバー対策官が組まされて事件を追う。IT用語が頻出するのには閉口したがその中に上手に伏線を忍ばせていて、物語の理解にも特に問題は無かった。警視庁が構築したAIマリスと女刑事の確執は無くても良かったかな。隠蔽体質のこの会社って明らかにリコール隠しでググると出てくる○菱自動車であるね(笑)2022/04/13
海の仙人
32
ばらの町福山ミステリー文学新人賞受賞作ということで手にした一冊。自動運転車の公道実証実験中に起こった死亡事故。巨大自動車メーカーの隠蔽体質は頷けるし、人工知能「マリス」による犯罪シュミレーションや新人女刑事前之園とのマウント合戦も有りそうで面白かった。2022/11/01
あっちゃん
31
福ミス受賞作!自動車業界を題材にした企業ミステリ、正直言ってあまり得意じゃない分野な上に最新テクノロジー満載でメチャ苦手(笑)でもミステリ部分は人間的でホッとしながら読了( ̄▽ ̄)2022/09/11