出版社内容情報
天和２年、八百屋の娘・お七が起こした放火事件。彼女にまつわる哀しい物語の行方とは？ 吉原に渦巻く業と謎が謎を呼ぶ傑作時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初美マリン
123
人気女形の八百屋お七を題材にした謎解き。納得したようなしないような、後を引く読後感でした。妖しい少女が後をひく。2021/11/29
タイ子
91
後に八百屋お七話として伝わる話を基に死んだはずのお七の怨念が吉原の遊女たちを脅す謎を解き明かす歌舞伎役者の女形が奮闘する物語。人気女形の清之介が舞台を干され、そんな時に出会う謎の美少女。心まで持っていかれそうな黒い瞳、年は7歳ぐらい。死んだはずのお七の霊か？！吉原でも不審な死と自死が続き、清之介は読売屋の協力を得て真相を探るが、行きつく先の真実は…。吉原の花魁が登場する話には艶やであればあるほど陰でうごめく者たちの見栄と上っ面がおぞましい。終盤語られるお七の話がもし真なれば切なすぎる。霊より怖いのは人間。2021/12/15
真理そら
79
八百屋お七に絡む謎が市村座の人気女形と吉原の太夫の微妙な協力関係で解決する妖しいミステリー。吉原の紅花太夫の思い人が絵も描くし幇間もやる変わった人ということで英一蝶が登場しそう…と思った、これは『其角と一蝶』シリーズなのだろうか（そういえばタイトルもそれっぽい）でもあのシリーズに「紅花」という花魁は登場したかなあ、読み返してみようかな。2021/10/25
雅
78
ホラーっぽい雰囲気がありつつ、人の感情が絡みあうミステリー。これまでの作品とは違ったテイスト2021/10/13
kei302
60
女形の役者が探偵役で主人公。濱次が顔見せしてくれるかも！ 出てこなかった。重い話だった。2021/11/08
