出版社内容情報
未来人、悪魔、神、幽霊・・・この世ならざるものたちの奮闘劇。読んだら思わず拡散したくなる全6編&ショートショート6編。
内容説明
サタン橋爪率いる「悪魔党」。奇抜なメイクと高飛車な言動で耳目を集めるイロモノ候補かと思いきや、意外と真っ当な政権公約に次第に人気を集め、見事4人が比例区当選を果たす。やがて世界中に「悪魔運動」を起こすほどの影響力を持つようになるのだが―(表題作)。幽霊歴75年、心霊写真に長年写り込んできた柳田勇だが、昨今の画像編集技術の向上で心霊写真の信ぴょう性が薄れてしまい、怖がらなくなった現代人を再び恐怖させる方法を模索している。新たな仲間の幽霊を募り、ユーチューブやニュース映像に映り込もうと画策するが―(「心霊昨今」)。元お笑い芸人の著者ならではの特盛ネタ!次々繰り出すあの手この手の短編&ショートショート全12編。
著者等紹介
藤崎翔[フジサキショウ]
1985年、茨城県生まれ。高校卒業後、6年間お笑い芸人として活動した後、2014年『神様の裏の顔』(受賞時「様神のもう一つの顔」を改題)で第34回横溝正史ミステリ大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とん大西
146
面白い!おちゃらけているようで(おちゃらけてるんだが)、どの話しも精度が高い。確かに帯に謳ってるように「読むコント」といった読み味かも。醸し出すシュールな世界観に「ごっつええ感じ」の松本人志や板尾創路のコントを思い出しましたゎ(懐かし)。表題作『比例区は悪魔~』は抜群の冴え。ショートショートの『宇宙人用官能小説』も馬鹿馬鹿しすぎて笑ってしまう。とりわけ光る『三十年後の俺』はプロットも切れ味もベストの読み心地。いやぁ、巧い。色んな角度から硬軟おりまぜたエンタメ、満足度高しです(^o^)2021/01/24
ガチャ
123
気楽に読める短編集! こんな事が起きるの?と思わせる展開が楽しい。 若見えの話に野球のピッチャーの話に、中々面白かったけど、やっぱり比例区は「悪魔」と書くのだ、人間どもが一番笑えました。何せ、悪魔が政治を牛耳ってしまいますからね、支持率高いし。 悪魔だから、命令口調でも全く問題ないし。 こんな政党があったら、笑っちゃうな。 言っていることがまともな所もポイント高し。 ぜひ悪魔党に清き1票を!2021/03/08
雅
115
ブラックユーモアに富んだ短編&ショートショート。笑えるだけじゃなく、ホロリとさせられる話もあってすごく良かった。2021/04/24
sayuri
112
「日本今ばなし金の斧銀の斧」「一気にドーン」「伝説のピッチャー」「心霊昨今」「比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども」「三十年後の俺」6話の短編にショートショート6編を加えた全12編が収録。今回もブラックユーモア満載、キレッキレの藤崎節が炸裂。昔話に認知症やユーチューバーを絡めたり心霊現象に児童虐待、YouTubeにコロナ、芸能人の不祥事等、時事ネタや世相を取り入れた物語が軽いノリで描かれる。好みはアンチエイジングネタの「一気にドーン」と中盤までうっかり騙されてしまったが結末にウルっと来る「三十年後の俺」 2021/01/17
Ikutan
91
面白かった~‼お笑い出身の藤崎さんならではシュールな六つの短編とショートショート。まるでテンポのいいコントみたい。小技の効いたフレーズで何度も笑わされ、意表を突く展開に驚かされる。そのユーモア溢れる発想には脱帽ですね。面白いだけではなく、現在の社会に対する風刺も込められていてハッとさせられるところも。シンデレラの言い分はもっともだね。表題作は強烈なインパクト。なるほどと思っていたら最後にとびきりのオチが。『心霊昨今』ではじんわり鼻の奥が刺激され、ドラえもん風の『三十年後』の結末もよかった。満足の一冊。2021/01/27