出版社内容情報
かつて〈おたく〉を命名し、〈新人類の旗手〉と呼ばれた。
人気アイドルや国民的カメラマンらと、時代を並走した。
フリーライター・中野秋夫。
もうすぐ還暦で、自らの残り時間も見えてきた。
人生の「秋」に差し掛かり、思い出すのは、昭和/平成の「青春」時代のことだ。
自殺してしまった伝説のアイドル、〈新人類〉と呼ばれたあの時代、国民的美少女と迷デザイナー、入水した保守論壇のドン、そして、〈おたく〉誕生秘話――。
東京に生きる、クリエイター、アイドル、浮遊人種……
それぞれの青春、それぞれの人生を丹念に紡いだ渾身の私小説。
青春には続きがある。
人生後半、「青い秋」のせつない季節だ――。
内容説明
かつて“おたく”を命名し、“新人類の旗手”と呼ばれた。人気アイドルや国民的カメラマンらと、時代を並走した。フリーライター・中野秋夫。もうすぐ還暦で、自らの残り時間も見えてきた。人生の「秋」に差し掛かり、思い出すのは、昭和/平成の「青春」時代のことだ。自殺してしまった伝説のアイドル、“新人類”と呼ばれたあの時代、国民的美少女と迷デザイナー、入水した保守論壇のドン、そして、“おたく”誕生秘話―。東京に生きる、クリエイター、若者、アイドル、浮遊人種…それぞれの青春、それぞれの人生を丹念に紡いだ渾身の私小説。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
237
私は著者と同年代、1980年代の空気が再現され、ド・ハマリの本だった。四谷四丁目交差点。アイドル岡田有希子が7階のビルの屋上から飛んだ、あの交差点。社会人になりたての私は、そこを何度も通っていた。「成熟を果たせず、青いまま年齢を重ねてきた」、だから人生の”青秋期”。これも私とダブっていた。本のタイトルはここから、きている。オタクの”名づけ親”でもある著者、その裏話が綴られる「オタク命名記」も特に面白かった。2020/09/10
ophiuchi
18
ほぼ実話に基づくと思われる自伝的な短編が収められている。昭和の終わりごろから平成を通してアイドルやサブカルなどの記事を書き飛ばしてきた著者はほぼ同世代なので、変名になっていてもモデルはほとんど特定できた。中でも中上健次と西部邁とのエピソードは圧巻だった。2019/12/25
れんこ
15
雑誌のコラムでよく目にしていた中森明夫さんの小説。今のアイドルには疎いですが、この小説に登場するアイドルたちはだいたいわかる。読みやすく最後まで。2022/01/14
田中峰和
8
本人の筆名も中森明菜のモジリだし、登場人物たちもイニシャルと違って、すぐに思い浮かぶ変名が楽しめた。早咲き過ぎて、その後の低迷が長すぎ、若い世代にはピンとこない人物かもしれないが、80年代の彼の活躍はすさまじい。本人が望んだわけでもなく新人類の旗手ともてはやされたが、彼の知名度を上げたのはオタクの造語を広めたこと。ゴクミや宮沢りえとの仕事でアイドル専門家として認められ、篠山紀信とはいまだに交友関係がある。表紙の写真も彼の写真だ。中上健次からは文学を勧められ、自殺直前まで西部邁と交友があった。人脈もすごい。2019/12/20
芋煮うどん
8
帯に又吉直樹センセイが「エピソードが鮮烈」と書いているが、その通り。でもそのエピソードの主たちが、容易に想像できる有名人たちすぎて、暴露本に見えてしまうかも。なかなかの力作なのに、そこが残念2019/10/27