おじさんのトランク 幻燈小劇場

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334912925
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

波瀾万丈の人生を生きた、遠縁のおじさん。自分との関係性もはっきりしない彼の遺留品を、思いがけず手に入れた私は、彼の人生を探る旅に出る。それは、まるで私自身の来し方を辿っているようだった―。虚実のあわいから人生の意味がしみわたる、異色の幻想譚。

著者等紹介

芦辺拓[アシベタク]
1958年、大阪府生まれ。同志社大学法学部卒。1986年、「異類五種」で第2回幻想文学新人賞佳作入選。1990年、『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞。2018年、『奇譚を売る店』で第14回酒飲み書店員大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

132
芦辺さんの奇妙な話シリーズの3冊目です。今回は主人公の語り手による連作で、6つの話が収められています。題名にある通りに主人公のおじさん(血のつながりがあるのかどのような人物なのか最後には明かされますが)が残したトランクを買い取りその中の小物に関しての幻想的な物語です。お気に入りさんのブラッドベリの感想を読んでいたらこの作品もそのイメージに合う感じでした。文庫化されたら再度読むつもりです。2019/09/17

ダイ@2019.11.2~一時休止

70
奇譚を売る店その3?。連作短編集。おじさんのトランクを入手した主人公が遺留品からおじさんの人生を探る。植物標本の話が一番よかった。2019/10/04

ワッピー

35
読み友さんの感想を読んで。長く俳優を続けてきた主人公が、舞台プロデュースのチャンスを与えられて、脳裏に浮かんだのは謎に満ちたおじさんのこと。子供の頃の記憶を頼りにおじさんを追う旅が始まる。奇縁で入手できたおじさんのトランクに納められた品物を手がかりに、次々と劇中劇の幕は開いていく。追う者が追われる者になりきったとき・・・幻惑の果て、夢から覚めるように終劇。クリスティーのコミカルなスパイ体験もの短編の雰囲気を一瞬連想しました。おじさんネタといえば、北杜夫にも「ぼくのおじさん」という怪作があったよなぁ・・・2019/09/23

シャコタンブルー

31
怪しげで、懐かしく、面白くて優しい「おじさん」。こういうおじさん昔はそこかしこにいたような気がする。フーテンの寅さんが持っていたようなおじさんのトランクがこの物語の始まり。おじさんのトランクの中から出てくる手紙、切符、植物標本、幻燈機、それらの謎の品の出自を巡る冒険活劇のような展開が楽しい。おじさんをが何者かを捜索する主人公も何やら謎めいた雰囲気があり、最後まで飽きさせないが、最後はもっとアッと驚かせて欲しかった気がするが、それは欲張りか・・。2019/08/10

rosetta

25
★★★✮☆幻想味が少ないなぁと思ったら最後はきっちり理に落ちました。トランクから見つかった小物から色んな冒険、活劇、ミステリを空想するこのスタイルはもっと続けられそう。謎のおじさんの正体は?2019/09/08

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