内容説明
昭和十六年の横浜。五歳の少年・桧垣壽雄は、色街・真金町の廓『永代楼』の一人息子だった。壽雄は、廓を切り盛りする祖母いねに可愛がられ、何不自由なく暮らしていた。しかし、母のきくが突然家出すると、その寂しさから、壽雄は落語や漫才などのSP盤を聞くようになり、笑いに目覚めていく―直弟子が故・桂歌丸をモデルに描く、傑作長編小説。
著者等紹介
桂歌蔵[カツラウタゾウ]
1964年大阪府生まれ。1992年2月、桂歌丸に入門し落語家の道に進む。2005年5月、真打ちに昇進。その間、エッセイや小説も書き続け、’17年に赤羽萬次郎賞優秀賞、同年に第三回藤本義一文学賞特別賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nazolove
17
度々名誉司会が言っていた話、ときにドラマなど、話していたことを思い出しながら読んでいった。 今は今で充実していていい時代だけど昔は昔で何でもないけど何でもあるなんて思わずためしてガッテン!の師匠みたいなことを言ってしまうが(笑)、こういう時代っていうのも当時は楽しいものだったのかななんて思った。 ただ個人的にはこの当時戦争ってのがあって教育というのが充実していなかったので、もしこのときに生きていた人がいたら、教育を教えてあげられたらななんて思った。(言ったら生きてくほうが大事やなんて言われそうだけど)2019/07/29
だけど松本
3
面白かった。2022/08/13
月夜見
1
図書館★★★☆☆2019/09/28
浅西マサ
1
昔、週刊誌で桂歌丸師匠が生い立ちを語っているのを読んだ時に、これ映像化か小説化しないかなと願って数年。願いが叶ったようで、歌丸師匠の直弟子の歌蔵師匠が書いてくれました。前作「よたんぼう」が泣かせそうで、単なる人情話で済ましてくれなかったのに、今回はストレートに泣かせてくれましたね。遊廓で育った壽雄少年の切ない初恋も良いけど、やはり噺家としての目覚めと、必ずこの道に進むと決めた決意表明の描写がよかった。そして、この著者の憎い処はラストまで読み終えた後に再び読み返したくなる仕掛けがあるんですよ。次回作も楽しみ2019/08/31
ムーの木
1
歌丸さん思い浮かべ読みふける 2019/08/28
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