内容説明
集中豪雨で崩壊、全滅した山村にただ一人生き残った男を、テレビカメラとレポーターが、貪るようにしゃぶりつくす。遺族の感情を逆撫でし、ネタにしようと群がるハイエナたちに、男は怒りが弾け、暴れ回る。怒りの引き金を引いた女性アナウンサーは業界を去り、男は彼女もまたマスコミの犠牲者であったことに気づく。その二人が場末の食堂で再会したのは、運命だったのか、それとも―。強烈な皮肉と諧謔が、日本に世界に猛威を振るっている「第四の暴力」マスコミに深く鋭く突き刺さる!日頃抱いているギョーカイへの疑問と怒りが痛快に爆発する問題作、激辛の味付けで登場!!
著者等紹介
深水黎一郎[フカミレイイチロウ]
1963年、山形県生まれ。慶應義塾大学卒業。2007年に『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞してデビュー。’11年に短編「人間の尊厳と八〇〇メートル」で、第64回日本推理作家協会賞を受賞。’15年刊の『ミステリー・アリーナ』が同年の「本格ミステリ・ベスト10」で第1位に輝く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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