出版社内容情報
戸南浩平[トナミ コウヘイ]
著・文・その他
内容説明
明治六年東京、侍崩れの男・倉田恭介と、十歳の女の子・サキは、縁あって共に暮らしていた。ある日、大罪人だけを狙った連続殺人事件が起きる。まるで天誅を下したかのような犯行に、いつしか人々は、犯人を闇仏と呼んでいた。その闇仏が次に殺害予告をしたのは大渕伝兵衛だった。閻魔入道と呼ばれ、ありとあらゆる悪事を重ねてきた大渕を殺すことで、世直しの総仕上げにすると。大渕は自身を守らせるため、用心棒として倉田を雇うのだが…。
著者等紹介
戸南浩平[トナミコウヘイ]
1966年静岡県焼津市生まれ。金沢美術工芸大学卒業。『木足の猿』にて第20回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あっちゃん
15
前作も良かったので!この微妙な時代の中で、揺れ動く主人公が人間味があって好感が持てる!今回は守る人が居るから、強くも弱くもなる辺り良い!現代より、こういう時代ものの方が惹かれるのは年をとった証拠?(笑)2018/12/30
鮫島英一
12
時は明治六年、武士も坊主も地に堕ちようと悪党だけは生き残る。「浜の真砂は尽きるとも…」とはよく言った。そんな腐った世を正すかのように悪党ばかりを狙う暗殺者「闇仏」が現れた。庶民は拍手喝采するが倉田の知ったことではない。なにせ彼の仕事はその悪党の用心棒。嫌な仕事だが彼と同居人のサキの二人が生きるためなら受けるしかない。否、考えようによっては闇仏のお陰で在りついた様なもの。精々死なない程度に仕事はするさと嘯いていたのに、いつの間に引けぬところまできてしまう。全ては業が成せるのか。流石、戸南作品は凄味が違う。2022/02/12
稽子
8
★★★ 明治維新、廃仏毀釈の頃の剣客物。文章は読みやすく、特にこれといった問題もないが『木足の猿』の方が良かった。裕福な暮らしができるようになった途端、食べ物で遊び出す子供の描写になんかモヤッとする…。まぁ普通かな。2022/11/03
ブルーノ
6
図書館で借りた本。初読みの作家さん。江戸から明治へと移り変わっていく時代の話で、人々の暮らしや考え方が変化していく様子が非常に興味深かった。貧しい生活のなかでも生き生きと描かれるサキの姿が良かった。そして、倉田とサキの絆には胸が熱くなった。また、刀での斬り合いのシーンは迫力があって面白かった。2019/03/28
辺野錠
4
前作から引き続き明治が舞台で今度は廃仏毀釈を背景に起こる仏に見立てた連続殺人と言うシチュエーションが面白いと思った。善と悪が入り交じる物語も引き込まれる。蝶やリボンに仏の首と小道具の使い方も巧み。2019/02/07