出版社内容情報
藤野恵美[フジノ メグミ]
著・文・その他
内容説明
母子家庭で育った聖太郎と、大宮製菓の御曹司・光博は、共通の趣味であるお菓子作りを通して親友となる。ある日、聖太郎は光博から、幼馴染みが出場するというピアノコンクールに誘われ、凛々花を紹介される。凛々花のピアニストとしての才能と、奔放な性格に惹かれてゆく聖太郎。光博や凛々花との貧富の差も、なぜだか気になり始める。そして、些細な出来事をきっかけに、ふたりは疎遠となってしまう。月日は流れ、大人になったふたりは、それぞれの道を歩み出し、聖太郎はショコラティエとして類い稀なる才能を発揮していくが…。
著者等紹介
藤野恵美[フジノメグミ]
1978年、大阪府堺市生まれ。大阪芸術大学卒業。2004年『ねこまた妖怪伝』で第2回ジュニア冒険小説大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モルク
112
母子家庭の聖太郎、製菓会社の御曹司の光博、小学生時代に御菓子作りを通じて親友となった二人が、進学とともに疎遠となる。聖太郎は母の負担を考え進学せずに有名ケーキ店で修業、光博は引かれたレールそして両親からの期待のため悶々とした大学生活を送っていたが…。光博の幼なじみピアニストを目指す凛々花も交え、この3人の人生を見つめる姿には好感が持てた。阪神淡路大震災をまたひとつの転機として成長していく。そしてこの先どうなったか気になってしようがない。2019/01/15
みかん🍊
106
小学校で出会った製菓会社の御曹司と母子家庭の少年たち、経済的に恵まれている者、才能に恵まれている者、持つ者持たざる者それぞれの立場でも苦悩は有る、中学、高校と疎遠になってしまった彼らだが、出会った時の衝撃のチョコレートが縁を繋ぐ、夢を持つにはハングリー精神や強い覚悟も努力も必要だが恵まれて何でも与えられてきた者は努力しなくても困らない受身でやりたい事が見つからない諦めの毎日にうんざりする、二人の甘くてほろ苦い成長記。2018/08/20
なな
98
装丁から想像した通り、とても素敵なお話でした。舞台の神戸に最近初めて観光に行ったのでより楽しめました。3人とほぼ同世代なので、時代と共に流行ったものを思い出しながら読んでいました。将来に思い悩み葛藤する3人の姿は私には眩しくキラキラした青春に映りました。たまには高級なチョコレートを食べてみたいです。味がわかるか自信はありませんが。終わり方に充分満足していますが、続編があったら尚嬉しいです。2019/11/09
ゆみねこ
91
お菓子作りの才能ある少年・聖太郎と、製菓会社の御曹司・光博。光博の幼なじみの凛々花も絡めた若者の成長譚。とても爽やかな読後感。あぁ、美味しいボンボンショコラを食べたくなります。2018/10/11
aoringo
85
幼い頃のお菓子作りから始まった友情は貧富の差、進学、就職、そして震災を経て繋がりは細くなっていく。しかし二人の絆は断ち切れることはなかった。まだチョコレート専門店が少なかった頃の話。ケーキやお菓子は日本のほうが美味しいみたい。フランス仕込みの聖太郎の作るショコラ食べたいな!2020/03/07
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