出版社内容情報
話題作『スコーレNo.4』の主人公麻子の妹・紗英、叔母・和歌子、父の元恋人・美奈子。それぞれがひたむきに花と向き合い葛藤するスピンオフ三編。(「手を挙げて」「まだまだ、」「あのひとの娘」)弟の晴彦は、高校を中退し勤めた会社もすぐに辞めて、アルバイトを転々とした後大検を受け、やっぱり働くと宣言して、いつもふらふらひらひらしている。不器用な弟と振り回される姉。そんな二人には、離婚した両親がまったく違って見えていた。(「晴れた日に生まれたこども」)どこかへ向かおうともがいている若き主人公たちの、みずみずしい世界のはじまり。凜としてたおやかに、6つのこれからの物語。
内容説明
『スコーレNo.4』の女たちはひたむきに花と向き合う。凛として、たおやかに、6つのこれからの物語。宮下奈都11年の軌跡。
著者等紹介
宮下奈都[ミヤシタナツ]
1967年福井県生まれ。2004年「静かな雨」が文學界新人賞佳作に入選。2007年書下ろし長編『スコーレNo.4』が絶賛されロングセラーとなる。2016年『羊と鋼の森』が本屋大賞、キノベス!第一位、ブランチブックアワード大賞の三冠を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
417
宮下奈都、4作目です。「スコーレNo.4(未読)」のスピンオフ3編を含む、ふんわりとした短編集。「羊と鋼の森」のイメージがあるので、どうしても期待してしまいます。結果としてオススメは、「スコーレNo.4」のスピンオフ作ではない『なつかしいひと』、『ヒロミの旦那のやさおとこ』です。2017/09/19
さてさて
329
深い感動に包まれた「スコーレNo.4」。あの感動をもう一度、と手にしたこのスピンオフ作品。そもそも作者にオリジナル作品を愛する気持ちがなければ生まれないスピンオフ作品は、その世界に再び浸りたいという読者と作者の相思相愛の幸せな読書が約束されたもの。そんなこの作品の短編に共通するのは、そこかしこに散りばめられた宮下さんならではの愛おしくなるような言葉の数々でした。途中で結末が想像できてしまうにもかかわらず、最後のページを読むスピードがスローモーションになる読書。じっくりと一文一文を味わった満足の一冊でした。2021/03/21
風眠
285
「つぼみ」というものに意思があるとすれば「あと少しで咲くところ」ということを考えたりするだろうか。きっと「つぼみ」であることにも気づいていない固く閉じたふくらみ。咲いてみたら何かが変わる?そんな漠然とした予感にも自分では気づけない。咲くのを諦めてしまうかもしれない。このタイミングで咲いていいのかと、迷うかもしれない。けれど花咲く予感に気づけたら、きっと素敵な花がひらくはず。だから、頑張れって思う。自分自身という花を咲かせられるように、花を咲かせる勇気がもてるように、変わってゆく一歩を踏み出せるように。2017/11/21
うっちー
261
ほんわか読めました2017/09/16
❁かな❁
221
『スコーレNo.4』のスピンオフ3編含む6つのお話*宮下さんらしく、全体的に静かに嫋やかに描かれる*タイトルの『つぼみ』に相応しくどのお話もこれから花開く為に前に向かって進んでいくよう❁全て読後感良く、ほっこりし応援する気持ちになれる♡最初の3編はスコーレのスピンオフですが先に読んでなくても楽しめます!その3編お気に入りですが「なつかしいひと」で、じーんとして涙*この作品は『本屋さんのアンソロジー』にも掲載。「ヒロミの旦那〜」のみ雑誌VERY掲載で少しコミカルで楽しい♪瑞々しく優しく紡がれる素敵な短編集♡2017/11/20