出版社内容情報
真山仁[マヤマ ジン]
内容説明
総理大臣官邸にプラスチックのコインを投げつけていたホームレスは、IRを誘致し町おこしをと気炎を上げ、総理の指南役とまで呼ばれていた元名物町長・鈴木一郎だった。日本初のIRは、5年前、土壇場で総理大臣・松田勉のお膝元に持って行かれていた。彼を破滅に追いやった誘致失敗の裏に何があったのか!?東西新聞社の編集局次長・結城洋子は、特別取材班を組み、IRやカジノの問題を徹底的に追及しようとするが―。
著者等紹介
真山仁[マヤマジン]
1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収を巡る熱き人間ドラマを描いた小説『ハゲタカ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
191
図書館本。IR(カジノ)誘致問題の話。地方再生でIR誘致合戦。誘致できれば街や自治体には「バラ色の未来」が待っている・・・。ギャンブル依存症対策や法案改正など、また総理夫人の金にまつわる疑惑など今起きていることを予見してたかのような内容でした。進むも地獄退くも地獄・・・そこはバラ色??でしょうか?オリンピックや豊洲問題にも通ずる内容でした。2017/05/24
starbro
149
真山仁は、新作中心に読んでいる作家です。昨年末に法案が成立して、現実味を帯びてきたIR、そんな旬のテーマを扱った近未来小説です。テーマは面白いのですが、料理の仕方がまずかったような出来です。現実のIRとしては築地市場跡地に誘致出来たら良いのでしょうが、本作のような中途半端な事をすると、絶対失敗すると確信しています。原発の新規開発なき後の目玉商品(利権案件)ですが、バラ色の未来は厳しいかも知れません。2017/03/04
utinopoti27
120
カジノを核とした統合リゾート施設を青森に誘致しようとしていた元名物町長が、ホームレスになり果て死んだ。総理の指南役とまで言われていた彼の転落人生の裏には、巨大な利権に絡む醜い構図が潜んでいた・・。『ハゲタカ』に代表される経済小説には定評のある筆者ですが、本作に限っては、関連企業や大物政治家VS新聞マスコミの図式がはっきりとせず、テーマの掘り下げも甘い。ギャンブル依存症に政権のスキャンダルと、風呂敷を拡げすぎて、どれも中途半端に終わった印象。やはり、これといった主人公が不在では苦しいのかもしれません。2019/06/12
いつでも母さん
118
何が『バラ色』なんだか・・過去と現在が行ったり来たりでちょっと読みづらかったかな。だが、カジノ法案が可決された今おそらく色んな利権が絡み、きな臭く小説の中だけの話じゃなくなるんだろうなぁ・・なんて思いが頭の中に常にあって、私のような小市民にはカジノなんてどこの話?なのだが、夫や息子がギャンブル依存症になったら怖いだろうなぁと(パチンコも競馬もやらないが)ホームレスになった元市長の死から、総理を巻き込んでの新聞社のドタバタを見せられた感。きっと限りなく現実に近いのだろうな。この未来はバラ色か?2017/03/10
ゆみねこ
80
複合型観光施設IR。IR誘致の中心人物だった元町長がホームレスになったあげくの死。ギャンブル依存症になった一家の心中事件。事件を追い懸ける新聞記者たちと、握りつぶそうとする上層部。これは中々読みごたえがあって面白かったです。私は自分の意思が弱いことを良く知っているので、カジノには近づけませんね。2017/08/02