満潮

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  • サイズ B6判/ページ数 407p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784334911362
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報



朝倉かすみ[アサクラ カスミ]

内容説明

人に迎合し、喜ばせることが生きがいの眉子。彼女の結婚式で配膳係のバイトをしていたコミュ障で自意識過剰な大学生茶谷は、美しい花嫁姿の眉子に一目惚れをする。そして眉子の夫に取り入り、彼女に近付いていく。眉子は必ず僕を好きになる―。眉子。茶谷。眉子の夫。絡み合う三人の関係は?眉子がかつて体験した、強烈な過去とは?真実と心の痛みは、徐々に明かされていく。ロングセラー『田村はまだか』の著者が放つ、震撼のサスペンス。

著者等紹介

朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年北海道生まれ。2003年「コマドリさんのこと」で第三七回北海道新聞文学賞、04年「肝、焼ける」で第七二回小説現代新人賞受賞。09年に『田村はまだか』で第三〇回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タックン

91
最初から最後まで意味不明で理解できない物語だったなあって感じが素直な感想。せめて美しい容姿を持ちながらこんな生き方しかできなかった眉子の境遇・背景(バックグラウンド)をもう少しわかりやすく描いて欲しかった気がする。わかりにくくぼかすのがこの作品の狙いかもしれないが・・・。 不完全な人間の内面を描きたいってことはわかるけど・・。金さん銀さん以外の登場人物がみんな好きになれないな。2017/03/26

ゆみねこ

79
美しいのに自分に自信の持てない眉子は、パート先の2代目社長に見初められ、華やかにホテルで挙式・披露宴を行う。そこで配膳係をしていたバイトの大学生・茶谷は彼女に一目惚れをし、眉子の夫の会社にバイトとして入り込む。うーん、眉子に全く共感できないし、夫も茶谷もみな身勝手で嫌な感じ。結局だれも救われないし、幸せにもなれない。読ませる力のある文章なので何とか読了しました。2017/02/10

ちょき

62
何がどうなのか、作中の人物も読んでる私自身もどうしたらいいのかわからない。みんなどこががおかしい。そういうものかもしれないし、違う世界も描きようがあったようにも思う。感想が描きにくい。ちと長い。2017/04/03

風眠

49
あやうい、とか、危険、とか、そんなレベルじゃない。「とにかく、きみは、一度僕とデイトしてみればいいんだ。そうすれば必ずきみは僕を好きになる」って、ここまで思い込みと決めつけが強いと、自意識過剰を通り越して、やばい、最上級にやばい。女も女で、自分というものが無さすぎで、まさに「なんとなく、で言い表せそうな感じ」という女の元彼の言葉が的確で感心する。傍目から見れば、健気に夫に尽くす妻だけれど、女の心の真相を明かされると、いろいろ突き抜け過ぎてて、やばい、相当にやばい。潮が満ちたその後、本当の狂気が始まるのか。2017/04/01

こんぺいとう

40
初読みの作家さん。独特の文体。これは、女性にしか書けない文章だろうな。ひどく内的で私的であるのに、なぜだか普遍的であるような錯覚を覚えるて読まされていく。他から見た「私」の寄る辺なさと頼りなさ。そこに絡め取られていく周囲。やっと掴んだ自分自身と、避けられなかったラストが悲しい。2017/06/27

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