出版社内容情報
深水黎一郎[フカミ レイイチロウ]
内容説明
「警視庁最悪の警部」大〓見(おおべしみ)に殺害予告か―ついに神の鉄槌がおりる!?本格ミステリーの聖域を踏み荒らした男が帰ってくる。今度は、本格ミステリーからさらに芸術の世界まで生き贄に。常に話題作を生み出す著者が、ミステリーへの強すぎる愛と、芸術への深すぎる造詣をこれでもか、と注入して生まれた痛快にしてご意見無用、巧緻にして油断大敵な怪しき力作!
著者等紹介
深水黎一郎[フカミレイイチロウ]
1963年山形県生まれ。2007年、『ウルチモ・トルッコ』でメフィスト賞を受賞しデビュー。11年、「人間の尊厳と八〇〇メートル」で日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
106
大癋見警部その2。連作短編集。第一部は芸術探偵がメイン?。で大癋見警部らしいおふざけは第二部って事かな?。2016/10/08
スパシーバ@日日是決戦
82
B (2016年) 強運を発揮して偶然の力だけで事件を解決してしまう警部「渾名は捜査一課一の痴れ者」率いる通称大癋見組。部下には2人の芸術愛好家(美術全般・クラシック音楽)がおり、今回は美術全般愛好家デカの甥(芸術探偵)がやらかしてくれます。各編の評価は以下の通り。「◎ 盗まれた逸品の数々/とある音楽評論家の、註釈の多い死」「〇 指名手配は交ぜ書きで/大癋見警部殺害未遂事件/ピーター・ブリューゲル父子真贋殺人事件」。美術品に関する真贋の行方、芸術系評論家の差し障りのないコメントの裏事情に思わず失笑。2016/11/02
そうたそ
40
★★★☆☆ かの芸術探偵まで引っ張り出してきたシリーズ二作目。ミステリいじりっぽいことに終止していた前作に比べると、本作の方がルールに縛られずやりたい放題している印象。あれ?しっかりミステリしてる?と思いきや、最後の最後で安定のバカミスっぷりに落ち着いたりする。でも、深水さん自身が楽しんで書いているんじゃないだろうかということが伝わってくる内容で、こちらまで楽しくなる。ミステリ好きだからこそ分かるような遊び心満載のミステリで「アホだなあ」と思いながらも、ニヤニヤしながら読んでしまう一冊なんです。2016/10/31
coco夏ko10角
24
「大癋見vs.芸術探偵」ってそういうことか! ふっふw 面白かったけど、前作のノリの方がより好きかな。2017/04/21
buchipanda3
18
笑える本格ミステリ短編集第2弾。今回は芸術愛が止まらない。短編3篇と中編が2篇。短編の方がピリッとしてて好み。一発ものなんだけど結構効きました。特に最初の「盗まれた逸品の数々」。トリックは気付きやすいが、ページをめくって出てきたアレを見て笑いが止まらなかった。他の2つも蘊蓄とトリックを巧く掛け合わせていると思う。芸術探偵との中編は、ラストのストンと落ちる見事な収束に感嘆、なぜかバカミスの方が・・だった。意外なルーツがある上に、「揮毫」なんて言葉をさらっと使うなんて警部はやはり能ある鷹なのか。2016/09/21