出版社内容情報
両角長彦[モロズミ タケヒコ]
内容説明
都内のある中学校の給食時間。突然、複数の生徒が苦しみ出し、五人が病院へと搬送、うち二人が死亡した。デザートのフルーツみつ豆に毒物が混入されていたのだ。捜査を担当することになった刑事の岩崎尚子は、給食時の座席表を見て、被害者のひとり宮内祐里の席のまわりだけが、ぽっかりと空いていることに違和感を覚える。さらに生徒が撮影したスマホ動画を調べていると、皆が混乱しているなか、奇妙な動きをする男子生徒を発見し…
著者等紹介
両角長彦[モロズミタケヒコ]
1960年埼玉県生まれ。北海道大学中退、一橋大学卒。タウン誌編集部勤務など様々な職を経て、現在に至る。2009年、『ラガド―煉獄の教室』で第13回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。日本推理作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
113
デビュー作に近い感じ。怪しい人がいっぱい出てきて伏線もたくさん。なかなかの良作。2016/07/02
いつでも母さん
112
現実にこのようなクラスは存在するだろう。多感な中学生を取り巻く独特の空気が伝わって来た。お初の作家さん。面白かったが正直な感想。『結界』ふざけるなと言いたい。そこから発展する物語・・このまま進むと日本で無差別テロは起きますね。いや、既にここ数日の津久井市の痛ましい事件もある。それにしてもラストは頂けない。アイツが犯人か・・人の表と裏の顏、裏が本当の顔だとしたら私は誰も信じることが出来ない。インテリゲンチャか・・タイトルが多少重いが川口よ、戻って来い。又事件が待っているかもしれないが岩崎とのコンビが良い。2016/07/28
momi
49
「みんな、給食を食べるのをやめてー!」生徒たちは苦しみ意識不明で救急搬送!デザートに毒物混入!!犯人はいつ、どうやって毒を入れたのか!!何かを隠している担任…不審な動きを見せたクラスメイト…犯人からの速達!!私には予測不可能なラストでした!!ただね〜真犯人の「最終行動」…目的が普通すぎて「それ、普通の人間じゃん!こいつ小さッ!!」とつっこんでしまいました…。作品としてはサクサク読めて意外と面白かったです!2017/09/15
そうたそ
49
★★★☆☆ とある中学校の給食時間で突如複数の生徒が苦しみだし病院に搬送され、内二名が混入されていた毒物により死亡した。捜査を担当する刑事は、被害者の一人である女子中学生の席の回りだけが給食時だけ空いていることに違和感を覚えた――。最近の作品は、安っぽさしか感じられない駄作が続いていたのだが、「ラガド」以来久々に読み応えのあるミステリだった。衆人環視の中の毒殺という状況に併せて、極普通の中学校という舞台設定、そして今時っぽく生徒が事件当時の状況をスマホで撮影している等々、全体的になかなか面白い。2016/08/12
Gemi
44
「人間性剥奪」このタイトルからすると軽めに感じるが、それでなくても好みの作品。湊かなえさんの「告白」を思い出す雰囲気。エンターテイメント系ミステリ作品としても面白い。細かく分かれているので次々先が読みたくなる。テンポが良くスピード感も良い。キャラもなかなか立っている。そして更に展開にも引き込まれる。所々にはさまっている、人間になりたい猫の童話がスパイシー。とにかくサクサク面白く読了。他の作品も読んでみたい。給食時間、誰が毒物を混入させたのか?席順の意味は?動画、盗撮、テロ、取引…要素盛沢山!2018/11/08