内容説明
昼夜逆転の生活。昼間は眠そうで不機嫌、ときどきアルコールが入っている。嫌われてもひかれても気にしない。中世スペインを中心にした西洋建築史の専門家で、休暇はスペインで過ごす―。学長選挙の迫る地方国立大学に新たに赴任してきた袋井准教授。型破りな「フクロウ」は、閉塞感漂う学内のムードをものともしない。次々とトラブルに首を突っ込み、教授たちのスキャンダルを暴き立てていく。彼の目的は、いったい何なのか?
著者等紹介
伊与原新[イヨハラシン]
1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
113
連作短編集。学長選挙が迫る大学でおこる陰謀。ドロドロの駆け引きです。ほう。2016/05/22
みかん🍊
82
地方の国立大学の学長選挙をめぐるこもごも、アカハラやら収賄やら癒着やら、そんなトラブルを何故か裏で暴き立ていく梟、彼はいったい何者で何を企んでいるのか。大学の教授たちというのも一般企業と一緒で出世に野心を燃やす人やヤル気のない人保身にまわる人魑魅魍魎の職員たちがいるんだな。2019/05/24
あっ!chan
45
最近の作品から想像出来ないようなドロドロしたダークな大学の学長選挙をめぐる学内政治を描いたストリー、10年前の執筆なのできっと身近なところを題材にしたんでと思うけど、だからこそ結構リアルに感じてしまう。最後に登場人物達それぞれの思惑のネタばらしがあって、これがちょっと今につながっているような...でも正直あんまり読後感は良くない。2025/01/24
b☆h
43
久しぶりに伊与原さん作品が読みたくなり手にした。序盤でタイトルの意味が想像でき、想像通りのラストには一人ニンマリしてしまった。ハラスメントに講堂のダブルブッキング、不正告発等…大学内で起こる様々な問題を講師目線で軽妙なタッチで描かれていた。次から次へと息つく間ももなく問題が起こり、それを紐解いていくことに知らず知らずのうちに引き込まれていた。共感とかはなかったけど、作品として楽しめ、自身の心のシエスタにもなった気にさせてくれる作品だった。2022/12/23
九月猫
43
伊与原さんの作品で大学が舞台……とくれば、想像と期待を裏切らずアカデミック。だけど今回は学術的な面ではなく学内の政治寄りのお話。夜行性の「フクロウ」こと袋井さんに結果的にいいように動かされる吉川さん視点で読むので、袋井さんの水面下での動きがわかりにくくピカレスク・ヒーローと呼ぶには少し物足りないのが残念。でも後半の学長選挙の展開はおもしろく、説明会にコートを翻し颯爽と登場するフクロウさんはかっこいい。意外に強かな共謀者とのギブアンドテイク。シエスタから目覚めた梟は飛んでいく。ほう。2015/08/18
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