感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
16
光文社コミック業書"SIGNAL"より、2007年刊。原作は作者の谷口さんですらよく分からないM・A・Tと言うシナリオ集団。ニューヨークで暮らす私立探偵の元に日本の有名企業の重鎮である弟が誘拐され、国際紛争に発展する。舞台は米ソ冷戦時代の中南米。ゲリラ達との命懸けの救出劇が繰り広げられる。主人公の他に味方は二人と犬のリトルジョンのみ、敵は30~50人は居ます。ジャングルの中の殺戮合戦。渦巻く陰謀そして裏切り!夢中にさせられる事間違い無し。解説は現在は姫乃たまの旦那である若き日の寺田克也さんです。2024/01/17
嫌々爺
3
純文学風の谷口ジロー作品も大好きだが、やっぱり関川夏央や狩撫麻礼などと組んだハードボイルド風、活劇風の作品の方が、僕はより強く心惹かれる。新鮮な驚きや斬新なストーリーのある作品ではないが、スケールが大きく端整なストーリーを谷口ジローの絵で読み進められるというのは非常に贅沢な時間である。ところで、原作者のM.A.Tとは結局何者なのか。大沢在昌だという書き込みをどこかで見かけたのだが、本当だろうか。正体を知りたいような、知りたくないような……。2018/08/18
ishii.mg
2
秋田書店版で読了。たぶん再読。 巻末の大沢在昌によると「「作者M.A.TのY氏は実は僕の知己である。この作品は彼の最初の長編である。」と。意外と当たっている推測だがYは矢作俊彦ではないか。2025/05/13
葉月 涙
1
一貫してハードボイルド!という雰囲気満載。探偵・ジャングル・愛・兄弟などなど断片的な単語を追ってみたとしてもお約束な感じで溢れていて個人的には非常に楽しめる作品だった。相棒が犬というのもまたいいですね。バンドデジネに影響されていると谷口さん本人がおっしゃってる通り、光と影のコントラストなどBDに興味のある私としては面白く読めた。似たようなものでは「東京幻視行」の方がよりBDっぽい感じはあると思う。2013/06/23
龍國竣/リュウゴク
1
ニューヨークの元軍人である私立探偵が中南米にて拉致された邦人を救い出す。その裏にある、陰謀と復讐。まさに王道の物語を丁寧に描き出している。犬という作者にとって重要なパートナーも活躍し、習作としての位置も備えているだろう。非常に整った長編。2013/03/22